「サラの鍵」戦時フランスで起こった悲劇 | 本の話がメインのつもり

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気まぐれに選んだ本を読みながら、何となく見つけたジャンクな菓子ばかり食べます。

サラの鍵 (新潮クレスト・ブックス)/タチアナ・ド ロネ

感動:☆☆☆ /5

考えさせられる:不思議不思議不思議不思議 /5



タチアナ・ド・ロネさんの

「サラの鍵」を読みました。


ブログ友達の

ジュードさんとnaminnieさんに

教えていた作品です。



アパルトマンのドアが叩かれる音に

少女は目を覚ました。

弟を安全な納戸へ隠れさせ、

すぐに戻るつもりで鍵をかけた。


その日、少女とその両親を

含む多くのユダヤ人がフランス人警官により連行され

ヴェルディヴへ収容された。

そしてその多くはそのままアウシュヴィッツへ送られ

戻ることはなかった。


60年後、ジャーナリストのジュリアは

仕事でヴェルディブのことを調べ始める。


すると、自身と当時のユダヤ人迫害を結ぶ

興味深い事実が浮き上がってきた。



深く考えさせられる作品でした。


戦時、フランス国籍のユダヤ人の迫害は

フランス政府により行われたという

ショッキングな事実を

サラという1人の少女と

60年後に彼女の軌跡を追う女性ジャーナリストの

2つの視点で追っているフィクション作品です。


ある日、突然フランス人警官に

連行されるという不条理、

劣悪な環境に押し込められ、

両親と引き離される少女サラの境遇は

フィクションとわかっていても

恐ろしかったです。


60年後のフランスで

ジャーナリストのジュリアが

そのユダヤ人迫害の事実を

調べ始め、

サラと1つの接点でぶつかります。


後半はサラの境遇を知ってしまった

ジュリアが自身と折り合いをつける物語が

展開します。


過去と現代、

フランス、アメリカ、イタリアと

何とも壮大なお話でした。


こういう物語は、

アレですね。

しばらく忘れられないですね。