「天神のとなり」登場人物がカッコイイ | 本の話がメインのつもり

本の話がメインのつもり

気まぐれに選んだ本を読みながら、何となく見つけたジャンクな菓子ばかり食べます。

天神のとなり/五條 瑛

カッコイイ:かんどーかんどーかんどーかんどー /5

雰囲気:あったか気分あったか気分あったか気分 /5



五條瑛さんの「天神のとなり」を

読みました。



『天神のとなり』

 ちょっとしたつまずきで大学准教授からヤクザの使いっ走りとなった

 鏑木は天藤会の白樺から、身内の風俗店「マイガール」の従業員を

 殺害した犯人を調べるように言いつけられる。


『椿が落ちる』

 白樺から呼び出されて出社した鏑木は、旧墨田連合の春木の

 通夜に出るように言いつけられる。春木は入院中に何者かに

 腹部を刺され、その傷がもとで亡くなった。


『紅白名残雪』

 いつも通り説明も少ないまま、博多から来る客人を

 迎えに行けと言われて、東京駅へ向った鏑木だったが、

 いつまで待ってもその客人が現れない。

 

『西から東に、風が吹く』

 西日本に本部を置く、広域暴力団の光西部連合の連中が

 うろついている。不機嫌な白樺はやはり鏑木にその原因を

 調べるように言いつけた。


『桜の下』
 白昼堂々、死体が車から投げ出された。殺されたのは

 新生墨田連合に世話になっている男で、犯人は光西部連合だと

 いうウワサが流れていた。



お久し振りの五條作品です。

相変わらず、

カッコイイですね。


ストーリーや設定は

中高年の男性が好みそうな傾向なのですが、

人物描写が非常に女子好み。

そのアンバランスさの虜になりそうです。


後ろ暗い過去を持った元・大学准教授の鏑木、

かいがいしく彼のアシストをするイケメン・清水京二、

二人のコンビが暴力団という特殊な組織の調査に

走り回る連作短編です。


鏑木を”飼っている”白樺や

アパレル会社社長の青木、

そして京二との掛け合いが面白いです。

この作品の魅力の一つですかね。


ブラックにうまいこと言っているので、

軽く噴きそうになりますよ。


そしてそういう趣味のある女子には

腐った妄想が広がりそうな人物関係も

また女子好みっぽいと

思った所以なのでございます。


そういう妄想を掻き立てるのが

意図的なのか、そうでないのか、

そのギリギリ感にもドキドキ。


もちろんそいういう趣味のない女子でも

五條作品に出てくる男性は

魅力的に見えると思いますよ。


スマートでカッコイイ、

そしてチョイ悪(古い?)なのです。

少し暗い影を背負っている辺りも

いいですね。


五條作品、やめられません。