「世界音痴」独特の感性が光ります | 本の話がメインのつもり

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気まぐれに選んだ本を読みながら、何となく見つけたジャンクな菓子ばかり食べます。

世界音痴〔文庫〕 (小学館文庫)/穂村 弘

やはり独特の世界:☆☆☆☆ /5

笑い:笑2笑2 /5



穂村弘さんの「世界音痴」を読みました。

以前読んだ「にょっ記 」「にょにょっ記 」に

続き、穂村弘さんのエッセーに

手をつけてみました。



やはり独特の語り口は同じなのですが、

こちらは「にょっ記」のシリーズ(?)よりも

エッセーらしいエッセーでした。

ちなみに「にょっ記」よりも前に刊行されている作品です。


「にょっ記」はたまに詩的な文章が挟まったり

ウソ日記というのは明言してあったんですよね。


こちらも短歌が載っていたり

突如として妄想ストーリーが挟まっていたりも

するのですが、基本的には

普通のエッセーです。


「にょっ記」の原型のような

感じなんでしょうか。


そして穂村さんの独特の世界が

広がっています。


回転寿司屋で回っていない

お寿司板を前さんに注文できない。



「指定席」のチケットに安心感をおぼえる、

飲み会を楽しんだり、

忘れ物をするような「自然さ」が身につかない、など

一瞬「?」と思っちゃうようなネタが

たくさんありました。


しかし読むと妙に

納得しちゃうんですよね。


歌人ってこういう感性が

必要なのかも……。



「にょっ記」のように

ものすごく笑える、というのでは

なかったですが、興味深く読みました。

面白かったです。