「GO」まさにGO!な青春ストーリー | 本の話がメインのつもり

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気まぐれに選んだ本を読みながら、何となく見つけたジャンクな菓子ばかり食べます。

GO (角川文庫)/金城 一紀

エネルギッシュ:ワクワクワクワクワクワクワクワク /5

青春:納得納得納得 /5



Mirokuさんのブログで拝見した

金城一紀さんの「GO」を読みました。



民族学校を出て、日本の高校へ入学した杉原の

国籍は前は朝鮮だった。

父親がハワイに行きたいがために韓国籍にしたとき

同時に韓国人になった。


子ども頃から差別を受け続け、それを拳で

跳ね返し続けてきた。

元プロボクサーの父親にボクシングを教わり、

喧嘩は連戦連勝の負け知らず。


親友でヤクザの息子である加藤の誕生日パーティに

招待され、そこで桜井という日本人の女の子に

出会う。

話したこともないはずの彼女は

おびえる様子もなく親しげに話しかけてきた。



読みながら、J.D.サリンジャーの「ライ麦畑でつかまえて」を

連想した作品でした。

帯を見たら『「在日」文学の「ライ麦畑」だ。』と……

ピッタリの言葉だと思います。


壁にわざわざガッツン、ガッツンぶつかって

傷だらけになりながら進んで行く、という感じの

エネルギッシュな青春ストーリーでした。


殴り合いの喧嘩シーンが多くて

ちょっぴり恐ろしかったです。

しかし杉原の一人称で語られる世の中を皮肉った表現や

いきなりハワイに行きたがる父親、友人たちの

行動が愉快でカッコイイ。


映画は見てなかったのですが、

宮藤官九郎さんが監督をされたそうですね。

原作も宮藤氏の他作品とイメージが

似ているように感じます。

今さらですが、映画も見てみたいです。


そして桜井との恋愛も……。

杉原は自分が「在日」と呼ばれている存在である事を

隠しながら交際を続けるのですが、

どうなってしまうのか……ドキドキでした。


面白かったです。

金城さんの他作品も読んでみたいですね。