「夏休み」三部作の二作目、相変わらずのゆるさ | 本の話がメインのつもり

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気まぐれに選んだ本を読みながら、何となく見つけたジャンクな菓子ばかり食べます。

夏休み/中村 航

ゆるすぎる:ディープディープディープ /5

家出、大惨事:ウケるウケるウケる /5



中村航さんの「夏休み」を読みました。

「始まりの三部作」の第二作目です。



ユキとマモル、舞子と吉田くん、

二組の夫婦は妻同士が親友だ。

それがきっかけでマモルと直人も

話をするようになる。


ある日、吉田くんが

「十日間ほど留守にします。必ず戻ります」

と置手紙を残して家出してしまった。


怒ったユキと舞子はマモルと一緒に

吉田くんが戻る前に家出をしてしまうことを

計画する。



今回は2組の夫婦が絡むゆるい話です。
カメラをいじるのが大好きな吉田くんが

ある日ふっと置手紙を残していなくなってしまい、

それが原因で大騒動を巻き起こします。


離婚の危機にすら発展する”大騒動”なのに、

全然”大騒動”に感じない文章です。


むしろ楽しそうにすら思える

マモルと吉田くんの様子。


それに比べて、ラストのゲームで勝負するシーンは

妙な緊張感がただよっています。

所詮ゲームじゃないか、と我に返ると

クスッと笑えちゃいます。


日常の小さなことを丁寧に描写する文章にも

リアリティがあって面白いです。


テレビの中継やラジオに心の中でツッコミを

入れてみたり、宿のフロントがちょっと横柄な態度だなと

思ってみたり、いちいち描写しなくてもよさそうな

ことがあえて書かれています。


これがゆるさをかもしだしているのかもしれませんね。


4人が勝負に使っているゲームは

任天堂の実在のゲームではないかと私は思うのですが。

あまり詳しくはないので、自信はないです。


緑色の恐竜とヒゲのおじさんと

お姫様を各個人が操って戦っているんですよ……


三部作の三作目「ぐるぐるまわるすべり台」を

そのうちに読む予定です。