「江戸の病」読みやすい、楽しめる読み物 | 本の話がメインのつもり

本の話がメインのつもり

気まぐれに選んだ本を読みながら、何となく見つけたジャンクな菓子ばかり食べます。

江戸の病 (講談社選書メチエ)/氏家 幹人

日本、おおらか:AAAA /5

昔の怪しい医学:うーんうーんうーん /5

分かりやすい:GOODGOODGOODGOOD /5



「江戸の病」を読みました。

図書館の新刊に置いてあって

妙に気になりました。


昨日読んだ「ぼっけえ、きょうてえ」にも

コレラの流行の話はありましたし、

畠中恵さんの「若だんなシリーズ」はまんま江戸の

薬問屋さんが出てきますね。


そんなわけでチラッと立ち読みしてみたら、

とても読みやすい。


内容は江戸時代に流行った病気(コレラ、インフルエンザ、肺病)、

命がけの出産の様子や、母乳をもらったりあげたりする習慣、

そして江戸時代にたくさんいたヤブ医者の話から

怪しい薬の話まで、と病や健康に関することが幅広く

紹介されています。


当時の資料を現代語訳しながら紹介されているので

臨場感、説得力を感じます。


この本を読む限り、今の時代でよかったと思ってしまう。

とにかく江戸の医学はむちゃくちゃだった、ようです。


ヤブ医者以下の”たけのこ医者”

(たけのこではヤブにならないことから、

ヤブ医者よりさらに程度が低い)
が横行し、まともな技術のない詐欺集団のようだったそうで、

”たけのこ医者”につかまった患者は必死にヤブ医者を探す、

というブラックユーモア満点の川柳まで残っているそうな。


そして薬もとても怪しい。

もちろん効果のあるものもあったそうですが、それに混じって

処刑された人体からとった人体由来薬や、

何が入っているのかよくわからない薬を

今なら一発でJARO行きの誇大広告で売りさばいていたようです。


現代だから思うことなんですが、

知識がないとは怖いことです。