「超・殺人事件」超・極端でおもしろい | 本の話がメインのつもり

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超・殺人事件―推理作家の苦悩 (新潮エンターテインメント倶楽部SS)/東野 圭吾

笑:ウケるウケるウケる /5



東野圭吾さんの「超・殺人事件」を読みました。



『超税金対策殺人事件』

 会計事務所から届いた支払わなければならない税金の

 額を見て仰天した。あらゆるものを小説を書くための経費に

 してしまおうと、原稿をあわてて修正するが……


『超理系殺人事件』

 中学の理化の教師をしている”私”は昨今の理系離れで

 科学雑誌がなくなっていく事をさびしく思っていた。

 ある日本屋行き「超理系殺人事件」という本を見つける。

 

『超犯人当て小説殺人事件(問題篇・解決篇)』

 別々の出版社の編集者4人が人気作家に呼び出された。

 安請け合いをする作家で4人ともが次の原稿を書いてもらう

 約束をしていたのだ。誰が原稿を受け取る権利を得るのか。


『超高齢化社会殺人事件』

 作家藪島清彦はかなり高齢の作家で担当の小谷は彼の

 書く時代錯誤でボケの入った作品の修正に振り回され

 ていた。


『超予告小説殺人事件』

 売れない作家松井は「殺しのコスチューム」という推理小説の

 連載をしていた。ところが、制服を着た女性が次々に殺されるという

 小説の内容通りの殺人事件が起き始めてしまう。

 

『超長編小説殺人事件』

 葛原は久しぶりの書き下ろし小説を書き終えて満足していた。

 ところが担当の小木にもっと枚数を増やせないかと頼まれる。

 今や枚数が多い小説がブームになっているのだ。


『魔風館殺人事件(超最終回・ラスト5枚)』

 連載の最終回、探偵が事件の真実を推理するシーンの執筆に

 困った。実は何も考えていなかった上に残りは5枚である。

 考え抜いた最後の手段とは……


『超読書機械殺人事件』

 ミステリ評論家門馬は読んで書評を書かなければならない

 本の多さにうんざりしていた。ある日黄泉と名乗る営業マンが

 ”ショヒョックス”という機械の売り込みにやってくる。



推理作家が出てくる、小説家が苦悩する短編集です。

ドラマ化されている天下一シリーズを思い出しました。

メタっぽい(って表現はおかしいか)……


笑えました。

税金対策の為に話を無茶苦茶にねじまげる一番初めの話から

よかったです。経費になるのは小説に書かれているものだけだ

と、言われて次々に領収書の内容を小説に盛り込みます。

東野さんのブラックなジョークが効いています。


でもお気に入りは『超高齢化社会殺人事件』です。

最後に「あっそうだったんだ!」というオチが効いています。

単に私がぼんやりしていただけかもしれませんが。


全体的に極端な展開で笑わせてくれます。



あまり関係のない話ですが、主役やレギュラーメンバーに

作家という職業をもってくる作品やはり多いですね。

作家さんが書いているからそうですよね。


でもたまに「ズルいなぁ」なんて思っちゃったりします。

だって取材不要……

それで作品がつまらなくなることはないと思いますし、

私にとっては知らない職業なのでいろいろ発見もあるのですが、

うーん、多いなぁと……


そういえばマンガの主人公が漫画家ってパターンは

あんまり見かけませんね。

その差はなんだろう……


この作品はおもしろかったし、全然文句とかじゃないですよ。

ふと思っただけです。