「冷たい校舎の時は止まる」怖いけど面白い | 本の話がメインのつもり

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気まぐれに選んだ本を読みながら、何となく見つけたジャンクな菓子ばかり食べます。

冷たい校舎の時は止まる (上・中・下)辻村 深月
  

フーダニットに熱中:ワクワクワクワクワクワクワクワク /5

ホラー:ホラーホラーホラー /5

青春、友情:かなしいねかなしいねかなしいね /5



辻村深月さんの「冷たい校舎の時は止まる」を読みました。



雪の朝、辻村深月は鷹野と共に登校した。

教室には不良っぽい出立ちの菅原、梨香、

生徒会の景子、フェミニストな昭彦、

たったの4人しかいなかった。


少し遅れてやってきた才女・清水あやめと

気の優しい片瀬充を合わせて

その日登校してきたのはたった8人だった。


他の生徒の影はおろか、教師すらない

校舎の中の時計はなぜか5時53分で止まっている。

玄関も窓も開かない。


そしてメンバーは2ヶ月前にクラスメートが

自殺した事件について共通の記憶がなくなっていることに

気付く。


誰が自殺したのか……



先日この小説を読んでいてかなり怖い思いをしました。

前半はなかなかのホラーっぷりです。

ですが、そこが一番面白かった気がします。


閉じ込められた8人の男女が

自殺したのは誰だったのか?

と、曖昧な記憶を頼りに探っていくのですが、

その間も校舎では不気味な事件が起こり、

一人、また一人と消えていく。


登場人物の8人の性格や心境も

とても丁寧に書かれていていちいち共感できるあたりも

うまいなぁと思いました。


ひとつひとつのエピソードがじーんときます。


そしてちゃんと”びっくり”も用意されていました。

「怪しいなぁ」とは思っていましたが、

まんまとハメられましたね。


先ほど上巻の第一章「初雪」の1ページ目に

後々の”びっくり”に繋がるヒントを発見しました。

辻村さん、やってくれますね……


ただ全体的に自殺とか自傷とかいじめとか

テーマは重いです。

ホラー要素と相まってなかなか明るい気分で

読めるものじゃなかったですね。


この梅雨の季節にはちょっとハマり過ぎかも。

怖かったです。


全然関係ないですが、

上・中・下巻横に絵が繋がってたんだー

アフィリエイト貼ってみて初めて気付きました。