「プリズンホテル 秋」任侠団体と警察がひとつ屋根の下 | 本の話がメインのつもり

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気まぐれに選んだ本を読みながら、何となく見つけたジャンクな菓子ばかり食べます。

プリズンホテル〈2〉秋 (集英社文庫)/浅田 次郎

コントか:ウケるウケるウケる /5

任侠:llllllll /5


浅野次郎さんの「プリズンホテル 秋」を

読みました。

夏が見当たらなかったので先に秋を……



人気極道小説<仁義の黄昏>を書く小説家・木戸孝之介は

長く続くシリーズにうんざりし筆が進んでいなかった。


彼は本物の極道である忠蔵おじのツテで

取材のため関東桜会総長の葬儀を見学する。


その着後、成り行きでスター歌手の真野みすずと

おじが経営する任侠団体専用の

奥湯元のあじさいホテルへ向かうことに……


ところが手違いで50人もの警察の慰安旅行が

バッティングしてしまう。

任侠団体と警察団体、

果たして何事もなく終るのか。



まるでコントのようなユーモアが光り

笑わせてくれるのに最後はしんみり感動できる、

そんな作品でした。


警察も慰安旅行で無礼講の大騒ぎ、

かたや任侠団体さんは若い衆の自首前の

壮行会でおごそかな宴をひらいている。

騒動が起きないわけがない。


ホテルには他にも明らかに怪しい

大学教授と名乗る男がが潜伏していたり、

連れの男を刺し殺そうしている元・アイドルの女がいたり、

それぞれのストーリーが同時進行して

最後にみんなそれぞれの決着を付けていく。


ホテルの客が不思議と繋がって、

最後に気持ちがいいくらいキレイにが丸く収まります。


計算されつくされている感じがする。


極道の方々の言葉も心に響きます。

これが任侠ですか、かっこいいですね。


「女子供を泣かせるような外道はこの鉄砲常が

 生かしておかんですよ。三人やるも四人やるも、

 たいしてちがいはないですけ」   (本文抜粋)


ステキ。