「プリズンホテル」任侠団体専用ホテル | 本の話がメインのつもり

本の話がメインのつもり

気まぐれに選んだ本を読みながら、何となく見つけたジャンクな菓子ばかり食べます。

プリズンホテル/浅田 次郎

ヤクザがコミカル:ウケるウケるウケるウケる /5

複雑:うーんうーん /5



会社の先輩のオススメで浅田次郎さんの「プリズンホテル」を

読みました。


浅田次郎さんの作品は初めてだと思っていたんですが、

よく考えてみたら「蒼穹の昴」読破してた。

こういうことがよくある……



任侠小説を書く木戸孝之介のおじは本物のヤクザである。

そんなおじの仲蔵が孝之介の父の7回忌に現れて

「俺な、ホテルを作ったんだ」と言い出した。


孝之介はおじの「奥湯元あじさいホテル」へ愛人の清子を

連れて訪れる。

そのホテルは明らかに普通のホテルとは違い、

客はその筋の人間ばかり、仲居はタガログ語でしゃべり、

オーナーが来れば客も整列して出迎えていた。


左遷を繰り返す花沢が支配人となり、赤痢を

発生させてしまった一流フレンチシェフ・服部と

熟練の板長・梶が調理場を仕切る。


そんなホテルへカタギの若林夫妻、

一家心中を計画中の家族、

謎の旅人、幽霊騒動に台風と

あじさいホテルは大賑わい。



ところどころに毒を含んだ笑いがあって

面白かった。


カタギでホテルのオーナーも客の大部分も

ヤクザだなんて知らずに左遷させられた支配人の

花沢がヤクザのしきたりに右往左往するところが

笑えます。


「エッ! もしや暴力団専用の……」

「支配人さん。その言い方はあんまり失礼じゃありませんかい。

任侠団体専用、と言っておくんなせえ」

                 (本文抜粋)


万事がこんな感じでカタギの人間と任侠団体さんの

ギャップが面白い。


アレですね、人気ドラマの「ごくせん」の笑いに

近いかもしれない。


そこにいろいろな事情を抱えた客が

やってきてドタバタやるんですが、

ちょっといろいろ騒動が多すぎて

複雑な印象がありました。


そして主役の木戸孝之介がかなり性格が

悪いです。

そこが面白いといえば面白いのですが、

好きかと言われると、こういう人は好きじゃない……かも


とりあえず「プリズンホテル・夏」「プリズンホテル・秋」……と

続編があるようなので読むつもりです。


テレビドラマにもなっていたようですね、

全く知らなかったです。


ドラマは主役の孝之介が女性に

変更されているらしい……