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地味に笑える：
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森絵都さんのショートショート集「ショート・トリップ」を
読みました。
『究極の選択』 → 死を目前にした少年の選択とは
『王様とカメと鈴木くん』 → 彼らの出立のとき
『ならず者１８号』 → 流浪の刑に処されたならずもの
『共有』 → すべての出来事を共有するユビ族
『冒険王ヤーヤー』 → ヤーヤー・クラマスの冒険譚
『ヒッチハイカー、ヨーコ』 → ヨーコの目的とは
『時間旅行』 → タイムマシンを使ってやることとは
『大きなダディと小さなフランツェ』 → フランツェの宿題
『定められた旅』 → 成人になるために旅立つクッバ
『厳然たる三色の法則』 → 自転車は赤、白、黄色
『脱サラの二人』 → 脱サラして旅人になった二人
『借り物競争』 → 借り物競争に勝つために
『奇跡の犬』 → 引越しの日に消えた犬の行方は
『ザ・リトル・ファシスト』 → バスの中の権力者とは
『二千五百年、宇宙の旅』 → 宇宙での偉大な実験
『いとしのローラ』 → 最期のときにきいた恋人の声
『おのおのの苦情』 → 原っぱに関する苦情の数々
『ミステリー・トレイン』 → 盗難事件の真相は
『異文化探訪』 → パープル博士が訪れた場所は
『日曜日の朝は……』 → 土曜日の夜の幸福
『ファンタジア』 → 決意をかためて旅に出る。どこへ？
『銀色の町』 → 銀色の火山灰の降る町
『Trauma』 → 女王様が気付いたこと
『バン爺の旅行鞄』 → バン爺の旅先でのトラブルとは
『紫の恐怖』 → バスに紫の影が
『アーニャの道』 → ライダーが引退したわけは
『フルーティ・デイズ』 → フルーツ王国の視察日
『ドクター・ガナイの航海記』 → 退屈な船上の日記
『ミッシング・ブライド』 → 警部補チャーリーの休暇
『運命――unescapable journey――』 → 蔵馬の危機
『パッカラキン五世の生涯』 → 試練の旅
『注文のいらないレストラン』 → 出された食事は……
『ジャンピエール・ロッシ』 → 下駄箱といえば？
『帰郷』 → ナデルは父の帰りを待ちわびる
『花園』 → 女王様の宿泊するお部屋は
『試食の人』 → 試食・試飲ばかりする男
『月』 → 船室をシェアした３人の旅
『王様と鈴木くん』 → カメがいなくなった
『アフター・フライ』 → 竜巻に連れ去られた人は
『ビフォア・フライ』 → 竜巻で連れてこられた人は
気まぐれをおこしてショートショートに
あらすじをつけた。
全編がほっこり、かわいい３ページほどの
お話です。
ショートショートらしい皮肉の
きいたお話もあり、満足な一冊でした。
お気に入りは『ならずもの１８号』と
『王様とカメと鈴木くん』です。
『ならず者１８号』のくだらなさがツボです。
流浪の刑に処されたならずもの１８号は
決まったステップで歩き続けなければ
ならないのですが、その決まったステップが
とんでもなくマヌケです。
重罪人ほどステップがマヌケらしいです。
『王様とカメと鈴木くん』は続編もあり、
王様のKYっぷりと鈴木くんのクールさが
最高です。
このショートショートは中学生向けに
連載されていたものらしいですが、
ファンレターの類が全然こなかった
と、あとがきにありました。
それはちょっとさみしいエピソードですね。
できのいいショートショートだと思うのですが。