怪盗というかスパイ: /5
裏の裏をかく展開: /5
久しぶりにミステリーランドです。
「かつて子どもだったあなたと少年少女のための」
というキャッチフレーズのとても読みやすい
児童書タッチのミステリーシリーズです。
その中の法月綸太郎さん作「怪盗グリフィン絶体絶命」を
読みました。
「あるべきものを、あるべき場所に
(ライト・シングス ライト・プレイス)」が信条の
怪盗グリフィンはいわれのない盗みはやらない
泥棒だった。
高額な保険がかけられた盗品をさらに盗み出し
持ち主に返すことで手数料をもらっているのだ。
そんなグリフィンのもとにひとつの依頼が舞い込んだ。
メトロポリタン美術館のゴッホの自画像を盗む、
というものだ。
もちろんそんなことはできないと断ったが
その依頼には深い意味があった。
正直、「怪盗」であることに意味を
感じなかったです。
タイトルからかなり痛快な泥棒モノを
想像していたのですが、どちらかというと
国をまたいだスパイものという雰囲気です。
スパイものとしてならなかなかおもしろいのですが、
やはり期待と違うストーリーだったなぁという
感じは拭えません。
<カンパニー>の美人エージェントと組んで、
彼女との新婚旅行を装い、とある国の要人から
マイクロチップの埋め込まれた土人形を盗み出す、
まさしくスパイ映画の設定ですね。
息をつかせぬ展開、裏の裏をかく敵、
その裏をかくグリフィン、
と、なかなかの大冒険かつ頭脳戦を
堪能できました。
ただ、かの国の革命の歴史などがつらつらと
書かれている箇所が多かったので、子ども達は
退屈しないかなぁと思ったところもありました。
うん、実は私もちょっと歴史が
ややこしいなぁと思ったクチです。
そういえば、法月さんの作品ははじめてだったり
します。
ミステリーランドの作品だとやはり雰囲気はかなり
違うのでしょうか。
いつか読みたいと思っていた作家さんだったので
いいきっかけになりました。