「サクリファイス」スポーツにかけるそれぞれの想い | 本の話がメインのつもり

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気まぐれに選んだ本を読みながら、何となく見つけたジャンクな菓子ばかり食べます。

サクリファイス/近藤 史恵

斬新な題材ロードレース:だーめだーめだーめだーめ /5

ミステリ:ワクワク /5


近藤史恵さんの「サクリファイス」を読みました。

他のブログさんで評判よかったので

ずっと気になっていました。



自転車ロードレースの世界ではまだ新人の

白石誓(チカ)。


記録を残していた陸上を捨てて

ロードレースをはじめたきっかけは

レース中に選手同士の感動的なやり取りを

見たことだった。


ロードレースの世界では勝つことを目的とした

エースの選手とそれを徹底的にアシストする

選手がいる。


誓はアシストをすることに自分が勝つこと以上の

喜びを見出し、チームでも認められはじめる。


あるときチームのエース・石尾の3年前の

不穏な噂を耳にしてしまう。



噂通り、おもしろかった。


このロードレースというのが新鮮です。

なじみのないスポーツの世界を垣間見れる、

というものポイント高いですね。


そして話がとても爽やかで、読みやすい。

この読みやすさのせいか頭の中で再生された

映像はアニメでした。

少年漫画みたいでサクサク読めます。


はじめに衝撃的な事故のシーンから始まったのですが、

それがどうやら未来の出来事みたいなんですね。

おかげで妙に緊張しながら読んでしまいました。


冒頭では誰がどういう状況で事故を起こしたのかが

わからないんです。


それが後半部分のミステリに関わる大事なシーンみたいでした。

ミステリの部分はちょっとバタバタした感じで

ミステリのネタが面白かっただけに、ちょっと残念。


どうでもいいことが気になりました。

一瞬視点が主役から切り替わるのですが、

何だか、不自然。

なぜ主人公の元恋人・香乃の取材シーンだけ

視点が彼女に切り替わったのかしら……


そこ以外は全部主人公視点なんです、謎です。

何かまだ私が理解した以上の秘密が

隠されているかも……