本格推理: /5
演劇と現実が混同する: /5
意外な結末: /5
近藤史恵さんの「演じられた白い夜」を読みました。
女優・神内麻子は演出家の夫・神内匠の新しい演劇の
合宿に参加することになった。
麻子と匠は夫婦でありながらその関係には人に
知られていない事実が隠されている。
そんな2人を中心にして合宿は雪深い山荘ではじまった。
出演者達はそれぞれ畑違いの人間や別の業界に人間の
寄せ集めだ。
それは配役による犯人の判明を避けるためで、匠は純粋に推理を
楽しめる作品を作り上げようとしていた。
役者にも犯人がわからないように、台本を小出しにする。
ところが、そんな劇中のの最初の犠牲者を演じた役者が
現実に死んだ、という事件が発生する。
サクサク読み進められる軽い推理ものでした。
そんなに頭を酷使されることもなく、
でもちょっとドキドキしたり、ちょっとビックリしたり……
話があまり長くないので、
疲れないで最後まで楽しめました。
小説の中で役者たちが結末の分からない演劇を
演じます。劇中でも犯人の分からない殺人が起こり、
現実でも人が連続して死んでしまいます。
この状況、少し混乱しました。
劇中でも孤島に閉じ込められていて、
現実でも雪の山荘に雪崩により閉じ込められています。
登場人物も劇中と現実とで少し混乱します。
でもちゃんと劇と現実の2つの
「なるほど」な結末が用意されています。
お買い得な2個パック。
でもちょっと麻子と匠の関係が腑に落ちない。
何だかちょっとさみしいなぁ。