著者の恋愛小説が新鮮: /5
一生懸命(必死?)の恋: /5
田口ランディさんの「ミッドナイト・コール」を読みました。
帯の「田口ランディ、初の恋愛短編集!」にひかれました。
『アカシヤの雨に打たれて』
アカシヤという店で久しぶりに会った男友達と飲んだ。
男友達は結婚して12年になるが定期的に一緒に飲む。
いい男はみんな結婚してる。
『それぞれに孤独に』
夫がいない間にやってくる掃除機のセールスマンと
不倫している。
その男がいるときに懐かしい親友から電話が入った。
『花嫁の男友達』
10年来の男友達であるKに結婚式のスピーチを頼んだ。
Kはやはり困惑した。23のときあたしはKの子どもを堕胎
しているのだ。Kはそのことを知らない。
『四月になると彼女は』
なんで男は、だんだんわがままになるのだろう。
男と別れて部屋で泣いていたところに女友達の
勢津子から電話があった。「明日フィージーに行くの」
『海辺のピクニック』
「あさって海に行こう」と明るくいったが私はその申し出を
嬉しく思いながら、海岸での別れ話の切り出し方などを、
あれこれと思い悩んでいた。
『海辺のピクニック、その後』
ピクニックから帰ると、部屋の電話がなっていた。
急いで出ると女友達からで、別れ話がどうなったかを
きかれてしまった。
『健康のために吸いすぎに注意しましょう』
別れ際のキスがなかったことに自分が飽きられている
ことを感じた。鬱々と入浴していると部屋で電話がなった。
男からの電話でなかったことにがっかりし、煙草を買いに行った。
『電話を待ちながら』
松島君と親密な関係になり「電話するよ」という言葉を信じて
待ち続けていた私。しかしかかってきたのは落としてしまった
私の携帯電話からかけられた”変態”からの電話だった。
田口ランディさんといえばオカルトっぽい不思議な世界の
お話しか読んだことがなかったですが、恋愛小説もなかなか
おもしろかったです。
20代後半から30代の女性が恋愛に振り回されているストーリーの
短編集でした。
「ミッドナイト・コール」ということで電話がなって、ストーリーが
動きます。
どこかで読んだような別段、新鮮味のないお話なのですが、
テンポよく読めて深く考えることなく楽しめます。
田口ランディさんの作品であまり考えることなく楽しめるなんて、
と別の新鮮味がありました。
ちょっと「大人の恋愛」のお話読みたいな、くらいのときに
きっちり期待通りに楽しませてくれる作品だと思います。
ちなみにまったく「甘さ」はありません、どちらかというと
「苦い」ですね。