「彼等」波乱の3作目 | 本の話がメインのつもり

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気まぐれに選んだ本を読みながら、何となく見つけたジャンクな菓子ばかり食べます。

彼等/長野 まゆみ

急展開:だーめだーめだーめ /5

従弟・正午(まひる)君の不幸:かなしいねかなしいねかなしいねかなしいね /5

4人も好きな人がいるの?……:驚驚驚 /5



模試で京都へ行く事になった凛一。

従兄の暁方(あきお)から正午(まひる)の様子が

おかしい事を知らされる。


正午には東京に戻ってから様子を見に行くことにし、

久しぶりの氷川との再開を果たす。

しかし凛一はこの再開で氷川との関係に限界を

感じてしまう。


そんな想いを抱え東京へ戻った凛一は

ずぶぬれの状態で家の前に

たたずんでいる正午に会った。



いろいろと事件が多い3作目でした。


相変わらず付かず離れずの凛一と氷川です。

凛一くんは氷川が大好きなんだけれど、

男同士ということに引け目を感じてなのか

素直に踏み出せない。もう限界、と感じてしまいます。


そして従兄・正午が同級生とのトラブルで

大きな精神的ダメージを負ってしまって、

さぁ大変! という2つの内容が中心に

なっていました。


華道家元後継者の凛一くんの植物描写が

相変わらず美しい、耽美な世界を演出しています。

そしてきれいな雨のシーンが多様されているのも

前作同様。


凛一の家族がとてもあたたかくていいですね。

凛一には両親がいなくて、家元の祖母と二人暮らし

なのですが、家柄からか親戚同士の結びつきが

強いみたいです。


従兄や兄と慕っていた若い叔父さんやその奥さん、

凛一を心から気遣っているシーンが多かった。


そしてやはり3作目の見所は凛一と氷川の恋愛の

進展でしょうか。

動きました。少しですが。

このジリジリがもどかしいです。


どうでもいいけど気になったのは

凛一に好きな人が4人いて、ちゃっかり順位までつけている

ということがうかがえる発言があります。

結構したたかですね。


でも好きな人が4人もいたら毎日楽しいだろうなぁ、

と思っちゃいました。