「わたしのグランパ」いいな、こんなおじいちゃん | 本の話がメインのつもり

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気まぐれに選んだ本を読みながら、何となく見つけたジャンクな菓子ばかり食べます。

わたしのグランパ (文春文庫)/筒井 康隆

グランパかっこいい:ワクワクワクワクワクワクワクワクワクワク /5

「お姉さま」?:あーあーあー /5



映像化されたりしてタイトルは

きいたことがある筒井康隆さんお「わたしのグランパ」を

読みました。



「父は囹圄の人で――」

それと知らずに父の日記を読んでしまった珠子は

家にいない祖父のことが書かれている文に興味を

持った。


「囹圄」とは何なのか。

学校の先生やそれとなく父に聞いてみる。

だが祖父の話題になうとなぜか家族は口をつぐむのだった。


やがて珠子は中学生になり、それとともに陰湿な

イジメを受け始めた。

学校は校内暴力で荒れ果て、

父母も不仲で毎晩いさかいばかり。

家は地上げ屋に狙われて、ガラの悪い連中が

脅しに来る。


そんな毎日を送っていた珠子のもとにとうとう噂の

祖父が姿を現した。



とても短い話でしたが、グランパこと珠子のおじいさんが

かっこよく描かれていて痛快な一冊でした。

最後はちょっとしんみりします。


グランパがいることで周りがぱっと明るくなる、

でも「ムショ帰り」でその筋の人も一目置くような

スゴ味もある。

そして出所の分からないお金を自由に使っていたり、

黒塗りの車の主と飲みに行ったりと謎だらけ。


グランパが現れてから珠子の周りの嫌なことが

どんどん解決にむかっていく様子が痛快です。

珠子の問題だけではなく商店街の人たちにも

信頼されて慕われているようでした。


ストーリーはとてもシンプルで一見して児童むけの

雰囲気があります。

しかいところどころに「らしからぬ」毒を

含んでいたようにも感じました。


珠子の後輩で友達の紀子は珠子のことを

「お姉さま」と呼びますが

そこですかさず「こいつらレズか」とツッコミが入ります。


ロリコンが入っているヤクザさんも出てきて

どうやら美人中学生らいし珠子のピンチの場面も……。


筒井さんお得意のブラックユーモアとまでは

いきませんが、こういうところが「らしい」のかどうなのか。


楽しませてもらいました。

ドラマも気になりますね。

グランパの活躍を映像で見てみたいかも。