「紺極まる」きゅんv ときます、少年愛 | 本の話がメインのつもり

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気まぐれに選んだ本を読みながら、何となく見つけたジャンクな菓子ばかり食べます。

紺極まる/長野 まゆみ

きゅんきゅん☆ラブ☆ラブ☆ラブ☆ラブ☆ /5

少年、かわいいぞ:あったか気分あったか気分あったか気分 /5



長野まゆみさんの「紺極まる」を読みました。



予備校講師の川野は妻と離婚が成立し

立ち退き期限に迫られていた。


ようやく条件があう物件に飛びつき勢いで

契約したものの引越し当日になって

部屋の契約も仮契約のままうやむやであり部屋の鍵を

手に入れることが出来なかった。


とりあえず新しい部屋に行ってみると、

野暮ったい格好をした少年が勝手に住み着いていた。

彼は正当な部屋の主だと主張し、川野は騙されたのだと

いう。


住むのとこのない川野は頼み込んで玄関先をかりることに

なった。

そして不思議な同居生活がはじまる。



長野まゆみさんのファンの方にはすでに説明不要とは

思いますが、これは男の子同士の恋愛小説です。


学生の頃は苦手だった長野まゆみさんの作品も

最近は立て続けに読んでいます。


なんとなく嫌いな食べ物でも人がおいしそうに食べていると

すごく気になる。おいしそう、ちょっと食べてみたい……

そんな感じで他のブログさんのレビューを見ているうちに

すっかりお気に入りになってしまった長野さん(笑)


今回もかわいいくてちょっと切ない恋愛小説でした。

川野と暮らすことになった野暮ったい格好の少年・真木敦は

高校の同級生の男の子・浦里に一途な恋をしている。

川野はそんな真木のことがなんとなく気になっちゃうんですね。

真木の方も浦里が好きなんだけど、川野のことも意識しちゃう。


こうやって文字にしちゃうとなんだかベタベタな展開に見えますが、

作中では長野さんらしいふわっとした雰囲気で演出されています。


毎回感じますが、今作品でも小物がとてもきれいです。

白磁に紺色の入った小鉢に琵琶をもるところとか

筍を煮るシーンやお豆腐を食べるシーン、

出てくる道具や食べ物の表現がとても好きです。


真木が高校生のときの話、そして一番最後にはちょっとビックリな逸話も

収録されています。


うーん、男女の恋に勝るとも劣らない少年愛の世界は深いです。

……というか、読んでいると何が当たり前なのか

分からなくなります(^^;)