「私の男」よくわかんないけどすごい。 | 本の話がメインのつもり

本の話がメインのつもり

気まぐれに選んだ本を読みながら、何となく見つけたジャンクな菓子ばかり食べます。

すみません。
昨夜感想なしでこのレビューをUPしました(^^;)
言訳けさせてもらうと――

寝ぼけてました。

レビューを書き上げたのは夢だったようです(0_0)


ろーれるさん、Anyangoさんご指摘ありがとうございます。

そしてすみません(>_<)


私の男/桜庭 一樹
たくさんの方がご紹介されているのを見て
興味をもったので桜庭一樹さんの
「私の男」を読みました。

明日結婚する腐野花を迎えに来たのは腐野淳悟、

花にとっての”私の男”。

盗んだ傘を広げ、花を守るように歩く男は

15年間共に暮らした花の養父だ。



ちょっとあらすじ短いですが、

あらすじを書きづらい本です(^^;)

「ネタばれ」とまではいきませんが、

ボロがでそうです。


こういうテーマの話あんまり好きじゃないのですが、

思いっきり引っ張りこまれました。

どんどん読める。文章がいいです。


この系統のお話だと、思わず「いやらしいシーン」とか

陳腐な言葉でいうと「禁断の愛」みたいなものを前面に

押し出してくるんじゃないか、と身構えていたのですが

それだけではない奥深さを感じたお話でした。

私の脳みそでは的確な言葉は浮かびませんが、

これも一種の”自己愛”……??


構成としては様々な人物の視点を借りながら

花と淳悟の少し異常な関係を過去に遡っていく

感じで明らかにしていきます。

初めの花の結婚式の前夜から花が震災にあって

淳後に引き取られるところまで、つまり二人が共に暮らしてきた

15年間を遡っていきます。


全体的に暗い、というか黒い雰囲気で表現が”不気味”に

統一されています。

魚をさばくシーンで内臓を登場させたり、

”血”という言葉が頻出します。

決してグロいシーンが多いわけではないのですが、

そういうシーンを直接に使わずグロテスクな雰囲気が

作り出されているという印象です。


とにかくお見事な作品でした。

好きじゃない話のジャンルで引き込まれるって”本物”っぽいなぁ(^^)