(2)乳酸性作業閾値(LT)
乳酸性閾値(にゅうさんせいいきち、英: lactate threshold, LT)もしくは無酸素性作業閾値(AT)[1]もしくは lactate inflection point(LIP)とは、乳酸が血液中に急激に貯まり始める運動強度のこと。
運動時に筋肉を収縮するためにはエネルギーが必要です。
筋肉を動かすためのエネルギーは、筋肉に蓄えられている糖質の一種である筋グリコーゲンが分解され、ATP(アデノシン三リン酸)が作り出されることで産みだされています。
筋グリコーゲン(糖)の分解時には乳酸も同時につくられます。
乳酸は酸素の供給される活動や運動(日常生活動作やジョギングなど)よりも無酸素性の激しい運動(短距離走など)でより多くつくられます。
身体には乳酸を一旦中和させてから、ミトコンドリアで酸化してエネルギー源として再利用する働きがあります。
乳酸はエネルギー源として再利用されるのですが、乳酸の生成が消費を上回ると乳酸が蓄積することとなります。
長い間、乳酸が疲労を起こすと考えられてきましたが、最近では、乳酸が多くつくられることで乳酸の生成過程で発生する水素イオンの影響により身体が若干酸性に傾くこと、エネルギー源である筋グリコーゲン(糖)の蓄えが少なくなることが筋肉疲労の原因と言われています。
乳酸は筋肉疲労を起こす悪い物質ではないと考えられています。
乳酸は筋肉からカリウムが漏れ出して筋収縮を阻害することを防ぐ働きがあるとも言われています。
筋収縮の阻害を防ぐということは、乳酸が疲労を起こすのではなく疲労を防ぐ物質であることもうかがえます。
また、血管新生や傷の修復促進、ミトコンドリア(酸素を利用してATPを産生する)新生、遺伝子発現調節などの働きがあることが言われており、乳酸にプラスの効果があることもわかってきています。