娘は、
「私が我慢すればいいのに」
「私がもっと良い妻だったらよかったのに」
「私のせいで息子をパパのいない子にしていいのか?」
と、悩み続けていました。
妹も私も、
何とか娘に現実を見てもらおうと必死でした。
た。
「そんなに帰りたいなら一人で帰りなさい。」
「でも、孫だけは連れて帰ったらあかん。」
そんな話をしていた時でした。
それまで静かに話を聞いていた4歳の孫が、ぽつりと言いました。
「ママ、パパをポイしていいからね」
その場にいた全員が言葉を失いました。
4歳の子どもが、どこまで状況を理解していたのかは分かりません。
でも、その言葉には確かな重みがありました。
もしかしたら孫は孫なりに苦しかったのかもしれません。
もしかしたら、ママが泣いている姿をずっと見てきたのかもしれません。
娘はしばらく黙っていました。
そして、ゆっくりと首を縦に振ったのです。
あの時、娘の離婚の決心を後押ししたのは、
私でも妹でもなく、
小さな孫の一言だったのかもしれません。
あの時の孫はまだ4歳でした。
子どもは何も分かっていないように見えて、大人が思う以上に周りを見ています。
だからこそ、大人が「子どものため」と我慢していることが、本当に子どものためなのか考えることも大切なのかもしれません。
今振り返っても、娘の背中を押したのは私たちではなく、小さな孫の勇気ある一言だったように思います。