しばらく経ってしまったが、イタリア旅行記と、準備の際に注意すべきことも書き終えた。


 最後に、"私が経験した"イタリアは、どういう場所だったのか整理するとともに、注意するポイントや訪れるべき場所をまとめておく。


・文化と芸術

 イタリア、特にローマには言わずと知れた、世界一の信者数を誇る宗教、キリスト教の最大宗派のカトリック総本山がある。教会などのキリスト教関連施設の規模と数、充実度は間違いなく世界一と言える。各都市にある主要な聖堂は、世界中から時代を代表する芸術家たちが集められて作られており、宗教画や彫刻のレベルや収蔵数も圧倒的。キリスト教に少しでも触れたことのある方はもちろん、そうでない方も人の「信仰」という営みが産み出す恐るべき芸術を愉しむことができると思う。



 また、ローマ帝国時代の遺跡も素晴らしい。詳細は旅行記に書いたが、コロッセオやフォロ・ロマーノを見れば、「全ての道はローマに続く」と言われた理由が理解できるだろう。かつてヨーロッパを、世界を牽引したイタリアの文化と芸術を知ることは、人生を前よりも少し豊かにしてくれると私は思う。

 文化や芸術に関する観光地は数日の滞在では見切れないほどたくさんある。その日のルートをある程度絞っていくのがおすすめだ。「道を歩けば世界遺産に当たる」のがローマであり、世界遺産登録数が一位の国にきたことを思い出させてくれるだろう。


・交通

イタリアは鉄道、地下鉄、バスが発達している。

ただし、鉄道やバスはチケットを買うだけではダメで、「打刻」が必要な場合が多い。打刻をせずに乗車しているのを見つかると高額な罰金を払わせられるので注意が必要だ。私はそれに怯えてほとんど鉄道やバスを使わなかった。

一番使ったのは地下鉄。地下鉄は打刻が必要なく、券を買うだけ。改札も日本と大差なく、券を機械にかざせばゲートが開く仕組みだ。そして価格も安くイタリアの有名都市は意外とコンパクトなため、基本的に地下鉄で事足りてしまう。例を挙げるとローマは1時間ちょっと歩けば端から端まで移動ができてしまう。有名所がかなりコンパクトにまとまっているため、健脚な人は歩きでも充分に観光を楽しめるだろう。

ただし地下鉄はスリが多いので注意。荷物のチャックは必ずチェーンをつけて前に持とう。


 そして都市間の移動は「フレッチャロッサ」もしくは「イタロ」という高速鉄道を使うのが一般的だ。


ホームページから予約も決済もできるので簡単。指定したメールアドレスに送られてきたQRコードを改札でかざせば打刻も必要ない。車掌がチケットの確認に来た時もそれを見せれば良い。オンライン取得が便利だ。

そして一番大切なことは予約時期が早ければ早いほど安い」ということである。

購入時期によって価格がかなり変わるので、スケジュールがある程度決まっている人は、予めの予約を強くお勧めする。


また、ヴェネツィアには特有の「ヴァポレット」という水上バスが存在する。3日以上滞在し、1日2回以上乗る予定があるのであれば、29歳以下は割引がある「ローリングベニスカード」がおすすめだ。美術館などの割引券付きの水上バス周遊券で、3日間乗り放題。

ちなみに有名なゴンドラは完全に観光価格に振り切っており、日常の移動には向かない。


・食事

 イタリアは言わずと知れた「食の国」

某調査では食事の美味しい国ランキングは1位イタリア2位日本だという。アメリカンジョークで「イタリアの戦艦で一番装甲が厚いのはキッチン」というのがあるように、食へのこだわりは半端ない。

オリーブオイルをふんだんに使ったパスタ、スープ、ピッツァ、ラザニア、肉料理、海鮮料理。どれをとっても本当にレベルが高い。

 中心街は基本的にレストランで溢れかえり、どこに入ってもハズレがない。トータルで3週間イタリア旅行をした私でも、ふらっと入った店が大当たりのことはあってもハズレだと感じたことはなかった。それくらいどこの店で何を食べても美味しいのである。

 ただし、観光地で若干ぼったくり気味の価格設定の店があるのも事実。店の外に価格付きのメニューが置いていない店は注意しよう。Googleマップの評価を参考にするのもお勧めだ。

 レストランの給仕さんはどこもめちゃくちゃフレンドリーで、押しに弱い私はつい乗せられて時価のものや、よくわからないお酒などを頼んでしまったことが多かった。ただ、そのおすすめがめちゃくちゃ当たりのことも多いので、どちらを取るかである。旅に刺激と食の充実を求める人は、給仕のおすすめを頼むのも一つの手である。

お酒が飲めない人はジュースかスプライト、「ナチュラルウォーター」と頼もう。もちろん有料(日本円で500円ほど)である上に、ワイン文化の国なので「それだけか?」みたいな顔をよくされるが、「アルコール苦手なんだ」みたいなことを英語で言えば特にしつこく接客されることもない。

 また、基本的にどの料理も量が多いのでそれも注意。特に一人旅の場合は、前菜のフリッターでお腹いっぱいになり、メインどころに辿り着けないこともしばしば。「今回は何を食べたいか」を明確に決めて、それを頼んでから余裕があったら他に進もう。


・物価

 高い。食事は普通にレストランで食べようとすると、昼食が5000〜6000円。夕食は最低10000円は見ておいた方が良い。他のものも高く、水はペットボトル500mlで400円ほど。ただし、ピザは日本のピザハットなどと似たような価格だった。日本のピザ屋が利益乗せすぎ説があるが…

基本的に「日本の2〜4倍」と考えておいた方が良いだろう。例外を挙げるなら地下鉄は日本より安い。スーパーのワインやオリーブオイルも高クオリティのものがお手頃価格で買えるようだ。私はあまり飲まないのでわからないかったが…


・宿泊

ホテルのサービスは平均的に悪くない。朝食などにかなり差があるので、食事を大切にしたい人はしっかり調べてから予約すると良い。充実しているところは本当に充実している。また、ポーターにチップを払わなければならないホテルもある。ヴェネツィアはその比率が高め。新しいホテルに入る時は一応小銭を用意しておこう。


・チップ

あまり向こうから求められることは少ないが、ホテルのサービスが良かったとき、こちらのわがままを聞いてもらった時などは精算の時に代金を少し多めに渡して「お釣りはチップで」とするのがスマートだ。あからさまに求められることは少ないものの、「なくはない」ので、5ユーロ紙幣などは少し多めに持っていくと良い。レストランは基本的にサービス料10%を含んだ代金を請求されるので、特段の理由がなければチップを渡す必要はない


・言語

イタリアはイタリア語が基本だが、英語も9割方通じる。たま〜にイタリア語オンリーの人に会うが、観光地の受付やレストランなどはほぼ確実に英語が通じる。意思疎通が全くとれずに困ることはほぼない。イタリア語オンリーの人もGoogle翻訳とかを使って意思疎通を図ろうとしてくれるフレンドリーな国民性である上、英語が一番の苦手科目で中学英語すらかなり怪しい私ですらなんとかなった。魂の英語で乗り切ろう。


・治安

悪い。『イタリア旅行記5日目〜財布スられて思い出が色々と吹き飛んだ〜』11月18日晴れ時差ぼけは直ったが、5時半に目が覚める。予定より朝食を早めにとり、ゆっくり支度をして9時ごろ出発。いざ、ヴェネツィアの街へ繰り出す。昨年ローマ…リンクameblo.jp

詳しくはこれを参照して欲しいが、イタリアはヨーロッパ屈指の「スリ大国」である。それがわかっていながら、スられた私はマヌケ極まりない。特に繁華街や、地下鉄などの密集する場所に多く、ホームレスなどの人が犯行に及ぶのかと思いきや若い少年少女集団の犯行がかなりの数を占めるらしい。マフィアが孤児をスリに育て上げたり、日本の悪ガキの万引きなどの感覚でスリルを楽しむ遊びとしてスリをおこなう輩が多いそうだ。

そしておそらく私がやられたのも少女集団だった。

カバンやポーチのチャックには必ずこまめに南京錠を!そして荷物を置いて場所取りなどは絶対しないように!

私の心からのメッセージである。

また、ホテルマンも完全に信用し切るのは危ない。私は特に怖い目には合わなかったが、私の友人で外出中に掃除のおばちゃんに荷物を漁られた人がいる。特に大切なものは必ず肌身離さず持ち、ホテルの自室だろうと無闇に貴重品を広げないようにしよう。

 そして、やはり移民問題がイタリアでも横行しているようだ。夜のテルミニ駅周辺はかなりダークな雰囲気が漂っていた。移民と見られる黒人っぽい人たちが怪しげな会合をしていたり、ホームレスが徘徊していたり、明らかにラリってる人がいたりした。女性の一人旅などは、特に気をつけて欲しい。夜は明るい道を選び、危ない地域には近寄らず身を守ろう。気をつけて歩けばそこまで怖がる必要はない。夜のイタリアも魅力がたくさんあるので、油断しすぎず楽しんでほしい。


・暗黙のルール
イタリアにも暗黙のルールが存在する。特に有名なのは2つ
①鼻を啜ってはいけない
鼻水が溜まった時は思い切ってかむ。ズルズル鼻を啜るのはタブー。寒い時などついやってしまいがちだが気をつけよう。
②牛乳の入った飲み物(代表例カプチーノ)を午後に飲まない
何度聞いても謎ルールだが、こういう暗黙の了解があるようだ。ルールというよりは「普通のイタリア人はやらないよね」というもの。おそらく「夕食が食パンとジャムとシリアルとコーヒー」みたいな違和感なのだろう。これは守らなかったからと言って何か言われるわけでもないが、暗黙のルールだそうだ。私も一応守っていた。


思った以上に長くなったため、一度ここで切りたい。各都市のおすすめも含めた第二弾も、忘れないうちに書こうと思う。自分がまたイタリアに行く時の備忘録として。