修理したばかりなのに、また故障?前回の整備で分からなかったの?
車を修理した直後に別の故障が起きると、
「この前、整備工場で見てもらったばかりなのに」
「その時に分からなかったの?」
と思ってしまいますよね。
しかし車には、点検である程度予測できる故障と、直前まで正常に動いていて突然発生する故障があります。
例えばゴム部品のひび割れやオイル漏れ、ブレーキの摩耗などは、目で見たり測定したりすることで判断できます。
一方、センサーやリレー、コンピューターなどの電気部品は、点検した時には正常でも、その翌日に突然壊れることがあります。
また、前回と同じような症状でも、原因が同じとは限りません。
「エンジンがかからない」という症状だけでも、バッテリー、スターター、燃料系統、センサーなど、さまざまな原因が考えられます。
ただし、修理直後に同じ場所や関連する部分で不具合が出た場合は、遠慮せず整備工場へ確認してください。
前回とは別の故障なのか、それとも修理との関係があるのか。ここをきちんと説明してもらうことが大切です。
整備士でも、未来の故障をすべて予測することはできません。
それでも、なぜ壊れたのか、前回の修理と関係があるのかを分かりやすく説明することはできます。
修理したばかりなのにまた調子が悪くなった時は、自己判断せず、まず前回の整備工場へ相談してみてください。
「修理に20万円なら買い替え」はもう古い?軽自動車の新車価格が上がって変わる判断基準
車の修理見積もりが20万円。
こう聞くと、
「そんなにかかるなら、もう買い替えた方がいいんじゃない?」
と思う人もいるでしょう。
僕も長く自動車業界で働いてきましたが、年式が古い軽自動車で高額修理が必要になった場合、買い替えを選ぶお客さんは少なくありませんでした。
ところが最近、この判断基準そのものを少し変えた方がいいのではないかと思うようになりました。
理由は単純です。
次に買う軽自動車が高くなっているからです。
2026年8月27日、三菱自動車はeKクロスとeKワゴンの一部改良を発表しました。
今回のeKクロス「G」2WDの価格は185万6800円です。
約1年前となる2025年7月の同グレードは174万3500円でした。
単純に比較すると、その差は11万3300円。
eKワゴン「M」2WDも146万8500円から154万3300円となり、7万4800円上がっています。
もちろん今回の一部改良では、安全装備なども進化しています。
そのため「同じ車なのに何も変わらず11万円値上げされた」という話ではありません。
ただ、ユーザーからすれば必要になるお金が増えていることに変わりはありません。
20万円の修理は本当に高いのか?
例えば10年乗った軽自動車が故障したとします。
修理見積もりは20万円。
20万円という数字だけを見れば高く感じます。
しかし、ここで比較する相手を考えてみます。
次の軽自動車を購入するのに180万円、200万円とかかるのであればどうでしょう?
もちろん古い車には、修理後に別の部分が故障するリスクがあります。
20万円かければ必ずあと5年乗れる、という保証もありません。
だから何でも修理すればいいとは思いません。
重要なのは、
「修理代が20万円もする」
だけで判断するのではなく、
「今の車を20万円で直す場合と、次の車を購入する場合では、どちらが自分に合っているか」
で考えることです。
新車価格が上がれば、この比較結果も変わってきます。
軽自動車は100万円で買えるという感覚が変わった
少し前まで軽自動車には、100万円前後から購入できる身近な車という印象がありました。
現在は安全装備も大幅に進化しています。
衝突被害軽減ブレーキや各種センサー、カメラなど、昔の軽自動車にはなかった装備も増えました。
原材料費や物流費などの上昇もあります。
車両価格だけを昔と比較して、
「メーカーが高くした」
と単純に考えることはできません。
ただし購入する側から見れば、軽自動車に必要な予算が大きくなっているのは事実です。
上級グレードやオプションなどを選べば、軽自動車でも200万円を超えることは珍しくなくなりました。
買い替える前に今の車の価値も知っておく
そして、もう一つ確認しておきたいのが現在乗っている車の価値です。
例えば欲しい軽自動車の支払総額が200万円だったとしても、今の車が60万円で売れるなら話は変わります。
逆に、
「古いから10万円にもならないだろう」
と思っていた車に予想以上の査定額が付くこともあります。
そのため僕なら、
新しい車はいくらなのか。
今の車の修理にはいくら必要なのか。
そして今の車はいくらで売れるのか。
この3つを確認してから判断します。
査定を受けたからといって、必ず売る必要はありません。
現在の価値を知ったうえで、
「この金額なら乗り換えよう」
でもいいし、
「この査定額なら売らずにもう一度車検を取ろう」
でもいいと思います。
→ 今乗っている車がいくらになるのか確認してみる
新車価格が上がれば古い車の価値も変わる
2026年8月27日には、ダイハツのミライースも一部改良されました。
低価格を大きな特徴としてきたベーシックな軽自動車も含め、車を取り巻く価格環境は以前とは変わってきています。
これから新車価格がさらに上がれば、
「古くなったから買い替える」
という車との付き合い方も変わっていくかもしれません。
15万円の修理。
20万円の修理。
場合によっては30万円の修理。
金額だけを見れば確かに高額です。
しかし比較するべきなのは、昔の軽自動車の価格ではありません。
今、代わりの車を買ったらいくら必要なのか。
新車が高くなっている今だからこそ、修理するか買い替えるかの損得は、その両方を見て判断する時代になってきたのではないでしょうか。
部品は安いのに修理代が高い!工賃の方が高くなる理由
車の修理見積もりを見たお客さんから、こんなことを言われることがあります。
「部品代は3,000円なのに、どうして修理代が6万円もするの?」
確かに、金額だけを見れば不思議ですよね。
しかし、車の修理代は部品の価格だけでは決まりません。
重要なのは、その部品がどこに付いているかです。
ボンネットを開けて、すぐ手が届く場所なら短時間で交換できます。
ところが、エンジンの裏側やダッシュボードの内部にある部品は、そこへたどり着くまでに何個もの部品を外さなければなりません。
例えばオイル漏れを防ぐ小さなパッキン。
部品代は数百円から数千円程度でも、そのパッキンを交換するために配線や配管、カバーなどを外す必要があれば、作業に何時間もかかります。
エアコン関係の部品では、ダッシュボードを大きく分解することもあります。
交換後は、外した部品をすべて元に戻します。
さらにスイッチやメーター、エアコンなどが正常に動くか確認しなければなりません。
古い車では、錆びたボルトが外れなかったり、樹脂部品が割れやすくなっていたりします。
修理箇所以外を壊さないように、慎重に作業する必要があります。
また、故障した部品を見つけるまでの診断にも時間がかかります。
警告灯が点灯しても、センサー本体が故障しているとは限りません。
配線やコネクター、電源などを調べ、原因を絞り込んでいきます。
部品代3,000円、工賃5万円。
この金額だけを見ると、工賃が高すぎるように感じるかもしれません。
しかし工賃には、原因を調べ、周辺を壊さずに分解し、正確に組み直し、正常に直ったか確認する作業まで含まれています。
車の修理でお金がかかるのは、部品そのものではなく「その部品へたどり着くまで」というケースも多いのです。
見積もりに疑問を感じたら、工賃だけを見るのではなく、どこまで分解する修理なのかを整備工場へ聞いてみてください。
あまり乗らない車は壊れない?年間3,000kmの車で注意したいこと
車は走行距離が少ないほど長持ちする。
そう考えている人は多いと思います。
確かに、走行距離が少なければエンジンや足回りの消耗は抑えられます。
しかし、車は乗らなくても傷みます。
例えば年間3,000kmしか走らない車の場合、1日平均では約8kmです。
実際には毎日乗るとは限らないので、週に数回、近所への買い物に使う程度というケースも多いでしょう。
この使い方ではエンジンが十分に温まる前に、目的地へ到着してしまいます。
短距離走行ばかりの車で注意したいのが、エンジンオイルです。
エンジン内部では燃焼によって水分が発生します。
ある程度の時間を走れば水分は蒸発しやすくなりますが、エンジンが温まりきらないうちに停止すると、オイルの中に水分や燃料分が残ることがあります。
「まだ2,000kmしか走っていないから交換しなくていい」
このように距離だけで判断せず、前回交換してから何カ月、何年経過しているのかも確認してください。
バッテリーも、あまり乗らない車ほど注意が必要です。
エンジンを始動するときには大きな電力を使います。
短距離しか走らないと、始動時に使った電力を十分に回復できません。
週末に数kmしか乗らない車では、少しずつ充電量が減り、ある朝突然エンジンがかからなくなることがあります。
ブレーキも使わなければ傷まないわけではありません。
長期間動かさないとブレーキローターに錆が発生し、ブレーキを踏んだときにゴリゴリと音が出る場合があります。
タイヤも同じです。
走行距離が少なければ溝は残りますが、ゴムは時間とともに硬くなります。
溝が十分にあっても、側面にひび割れが発生していたら交換を検討しなければなりません。
マフラーも短距離走行が続くと、内部に発生した水分が十分に蒸発せず、内側から腐食することがあります。
さらに、ホースやベルト、ブーツといったゴム部品も走行距離とは関係なく劣化します。
走行距離2万kmでも、登録から10年以上経過していれば、ゴム部品も10年分古くなっています。
年間走行距離が少ないこと自体が悪いわけではありません。
大切なのは、たまにはエンジンが十分に温まる程度まで走らせることです。
そして、オイル交換は距離だけでなく期間でも管理する。
バッテリー、タイヤ、ブレーキ、ゴム部品も定期的に点検する。
「乗っていないから大丈夫」ではありません。
あまり乗らない車には、あまり乗らない車なりのメンテナンスが必要です。
「普通に走っているから大丈夫」が一番怖い。2万kmオイル無交換エンジンの実例動画
今回公開した長尺動画では、約2万kmオイル交換をしていなかったプレオを題材にしています。
個人的に、この手の車で一番怖いのは故障そのものではありません。
壊れかけていても普通に走れてしまうことです。
今回のプレオも、オーナーからすれば直前まで普通に使えていた車です。
ところがエンジン内部を確認すると、オイル管理の悪さがはっきり分かる状態になっていました。
大量に堆積したスラッジ。
こうした汚れは一日で突然できるものではありません。
オイル交換を先延ばしにしながら長期間走り続けた結果、少しずつ蓄積していきます。
車は人間のように「最近ちょっと調子が悪い」と言ってくれません。
警告灯が点灯した時には、すでにかなり症状が進んでいるケースもあります。
だからこそ、予防整備が重要になります。
オイル交換は、車の整備の中でも比較的安価な部類です。
しかし、それを怠ってエンジン内部にダメージを与えてしまえば、修理費は一気に高額になります。
「まだ走れるから交換しなくてもいい」
ではなく、
「まだ問題が出ていないうちに交換しておく」
この考え方が大切です。
今回の動画では、整備士として実際に見てきた感覚も交えながら、オイル交換をしないとどうなるのかを紹介しています。
エンジンオイルの交換時期をつい忘れてしまう人。
年間走行距離が少ないから大丈夫だと思っている人。
車をできるだけ長く乗りたい人。
そんな方には、ぜひ一度見てもらいたい内容です。
走る=大丈夫ではありません。
エンジンの中では、見えないところで確実に変化が起きています。











