オイルパンよりも高額になってしまった部 品
日産モコのお客様から、
「下回りをぶつけてしまったので見てほしい」
というご相談をいただきました。
縁石や段差などで下回りをヒットした場合、外からは分からなくても重要な部分にダメージを受けていることがあります。
早速リフトアップして確認してみると、ATオイルパンに接触した跡がありました。
幸いオイルパンに穴は開いていませんでしたが、衝撃によって変形しており、ミッションとの合わせ面からオイルが滲み始めている状態でした。
このまま放置するとATオイル漏れが進行する可能性もあるため、オイルパン交換をご提案しました。
部品を調べてみると、オイルパン本体の価格は約7,100円。
ここまでは特に驚くような金額ではありません。
ところが交換部品を確認していると、固定用ボルトの価格に目が止まりました。
ボルト1本870円。
しかも使用本数は13本です。
単純計算でボルト代だけで11,310円。
オイルパン本体より高くなってしまいます。
もちろんミッション周辺で使用されるボルトは一般的なネジとは異なり、強度や精度が求められる部品です。
それでも「ボルトの方が高い」という状況には思わず驚いてしまいました。
さらに部品はバックオーダーとなっており、納期も少しかかる状況。
オーナー様に状況をご説明すると、
「ボルトは再利用でお願いします」
とのご希望でした。
今回はボルトの状態も良好だったため、洗浄と点検を行った上で再使用することにしました。
整備の仕事をしていると、高額な電子部品やユニット交換には慣れていますが、今回のように何気ないボルトの価格に驚かされることもあります。
車の修理では、故障した部品より周辺部品の方が高額になることもある。
そんなことを改めて実感したモコの修理事例でした。
「Pレンジから動かない」原因はストップランプスイッチだったエクストレイル
「ギヤが入らない」との連絡を受け、引き上げした車は日産エクストレイル。
症状は、Pレンジからシフトレバーが動かないというもの。
AT車は通常、ブレーキを踏むことでシフトロックが解除されます。
点検中、同僚が「ブレーキランプが点灯していない」と気付き原因判明。
不具合の原因はストップランプスイッチの接触不良でした。
車両側が「ブレーキを踏んでいない」と判断していたため、シフトロックが解除されなかったわけです。
スイッチ交換後、症状は改善。
ストップランプスイッチは小さな部品ですが、
- ブレーキランプ
- シフトロック
- クルーズコントロール
など様々な制御に関わっています。
ブレーキ操作のたびに作動する消耗部品でもあるため、年数が経過した車では注意したいポイントです。
【エアコンが効かないと思ったら…実は風が出ていなかったアウトランダー】
「エアコンが効かないので見てほしい」
そんなご依頼で三菱アウトランダーが入庫しました。
エアコン不調と聞くと、まず疑うのはエアコンガス漏れやコンプレッサーの故障です。特にこの車両は過去にエバポレーター交換歴があったため、再びガス漏れが発生している可能性も考えながら点検を開始しました。
ところが実際に確認してみると、少し様子が違います。
エアコンスイッチを入れるとコンプレッサーは正常に作動しています。しかし吹き出し口から風がまったく出てきません。
冷えないのではなく、風そのものが出ていない状態です。
そこでブロワモーター系統を点検すると、ブロワモーターの不良を確認。さらに風量調整を行うレジスターも同時交換することにしました。
ブロワモーターはエアコンやヒーターの風を車内へ送り出すための部品です。このモーターが故障すると、エアコンシステム自体が正常でも車内へ風を送ることができなくなります。
部品交換後は風量がしっかり回復。
もちろんエアコンの冷えも問題なく、快適な状態に戻りました。
今回の修理費用は部品代と工賃を合わせて約2万円程度。
エアコン修理というと高額なイメージがありますが、原因によっては比較的リーズナブルに修理できるケースもあります。
「エアコンが効かない」と感じたときは、
・風は出ているのか
・冷たい風が出ないのか
・風量が弱いのか
を確認しておくと、故障診断の大きなヒントになります。
これから暑い季節を迎えます。エアコンの効きが悪い、風量がおかしいと感じたら、本格的な暑さになる前の点検をおすすめします。
給油しても満タンにならない? タントの燃料計トラブルを修理しました
ダイハツ タントのお客様から、
「ガソリンを満タンに入れたのに燃料計が満タンにならない」
というご相談をいただきました。
詳しくお話を伺うと、給油直後は満タン表示にならず、しばらく走行すると突然満タンになったり、逆に満タン表示から急に数メモリ減ったりするとのこと。
燃料が減ったわけでもないのに表示が変化するため、お客様も不安を感じていたようです。
まずは車検でお預かりした際に症状の確認を行いました。
当社でも燃料を満タンにして様子を見ましたが、その時は症状が再現せず異常なし。
電子制御が関係するトラブルでは、このように点検時だけ正常に動作するケースも珍しくありません。
その後、お客様から
「最近は以前より頻繁に症状が出るようになった」
との連絡をいただき、本格的な診断と修理を行うことになりました。
燃料計の不具合でまず疑うのは、燃料タンク内に取り付けられている燃料ゲージユニットです。
この部品は燃料の量に応じてフロートが上下し、その動きを電気信号へ変換してメーターへ伝える役割をしています。
今回は念のためダイハツディーラーにも問い合わせを行い、同様の事例がないか確認しました。
すると過去に似た症状の修理事例があり、その際も原因は燃料ゲージユニットだったとのこと。
そこでお客様へ状況を説明し、ゲージユニットの交換を提案しました。
交換作業では燃料タンクからユニットを取り外します。
このタントは樹脂製燃料タンクを採用しているため、専用工具を使用しながら慎重に作業を進めました。
交換後は燃料計の表示も安定。
その後、お客様に経過を確認したところ、症状は再発していないとのことでした。
今回の修理費用は、
・燃料ゲージユニット 3,650円
・ガスケット 2,250円
・工賃 約1.5時間
総額で2万円弱となりました。
燃料計の異常は走行に直接影響しないように思われがちですが、残量が正しく分からなくなるため、ガス欠のリスクにつながることもあります。
「満タンにしたのに表示がおかしい」
「残量が急に増えたり減ったりする」
そんな症状がある場合は、燃料ゲージユニットの不具合が隠れているかもしれません。
ハイブリッドカーのバッテリーは早めの交換を
ハイブリッド車やe-POWER車で意外と多いトラブルが、補機バッテリーの突然死です。
先日も、交差点で発進できなくなった日産ノート e-POWERが入庫しました。
運転手の方によると、信号待ち中に違和感があり、その後アクセルを踏んでも車が動かなくなったとのこと。
現場で点検すると、原因は補機バッテリーの電圧低下でした。
この車両は初度登録から一度も補機バッテリーを交換しておらず、以前の点検時にも交換を推奨されていたそうです。
ハイブリッド車は駆動用の大きなバッテリーが搭載されているため、「バッテリーには強い」と思われがちですが、実際には補機バッテリーも非常に重要な役割を担っています。
補機バッテリーが弱ると、システムそのものが正常に起動できなくなります。
しかもガソリン車のようにセルモーターが重く回るといった前兆が少なく、劣化に気付きにくいのが特徴です。
そのため、
「昨日まで普通に走っていた」
「急に動かなくなった」
というトラブルが発生します。
特に暑い時期や寒い時期はバッテリーへの負担も大きくなります。
予防整備としては、定期的な点検と早めの交換が有効です。
補機バッテリーはエンジンオイルのように目立つ部品ではありませんが、車を動かすためには欠かせない重要な部品のひとつです。























