最後に一つだけ言わせてください | J's Blog

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慶應義塾大学トライアスロン部Team J.のブログです。

部員同士の連絡など気軽に使ってください。

家につき、テレビをつける。

白い野球帽を被った爽やかな青年がお立ち台の上、マイクに向かってこう言った。


「最後に一つだけ言わせてください。」





午前6時45分、目覚ましが鳴っているわけではないのに、目がパッと覚める。ちょっと早く起きすぎたな。出発は8時で間に合う。

まあいいか。ギリギリで起きるよりましだ。ふと、テレビをつけてみる。

かわいらしいイルカが写っている。シーシェパードのニュースだ。

興味がないので、チャンネルを変える。

「早稲田と慶應の50年ぶりの伝統決戦!!」と、アナウンサーがやや興奮した声で伝える。そういえば、友達で、ピッチャのやついるけど試合出るのかなと思ったりしたが「俺は、ロングライドだっつーの。関係ないね。」やや冷めた視線でながめつつ、スプーンでかき集めた昨日の残りのカレーを口に運ぶ。



さあ行こうか



待ち合わせ場所に着いたのは予定5分前。まだ誰もいない。10分後、井上を先頭に山口、船津が現われる。残るは、澤田さんだけだ。そんなことを考えた瞬間。携帯が小刻みに揺れる。電話に出ると澤田さんだ。遅れるとの報告。どうやら、渋滞につかまってしまったらしい。いつものレッドジャージで登場。予定より、40分遅れてスタート。

始めてロングライドの指揮をとるため、半ば不安な気持ちがあったが、下調べに時間をかけた甲斐もあり、順調に行く。

巡航中、メーターが13km/hを表示する。壊れてるな、これ。

終始、後ろの人達の顔色を窺いながら、ペダルを回す。

国立のインターを左折したところで、信号待ち。

ふと山口が



「すみません。なんかパンクしたっぽいんすけど。」



と弾力があるタイヤをつつきながら言った。





さあ直そうか。





そして、50分後、

様々な紆余曲折を経て、再スタート。



八王子につき、登頂前に、昼食をとり、いざ、和田峠に向かう。

和田峠といえば、去年草太さんに連れていっていただいた所だ。

標識に陣馬街道の名前がある。これに沿って行けば着くぞ。



景色が、どんどんと、都会とはかけ離れた田園風景になっていく。



懐かしさと、久しぶりに峠を登るというワクワク感が同時に僕の胸を締め付けた。

去年、寺光がキュウリを買った休憩所で休み、いざ、スタート。

どんどん進んでいく。少し坂になっているところもあるが、峠と言うには少しお粗末だ。

何かが違う。ここではない。

ふと異変に気づき、後ろに戻る。


少しそれた所に、車両通行止めの看板が立っている。

ここの先なのではないか?

違和感を抱きつつも、ここが和田峠だと仮定して、再スタート。

始めに、後輩たちとさよならして、澤田さん、井上と競る。

序盤に、井上が脱落し、次に澤田さんと僕が抜きつ抜かれつの展開になる。去年、上った時よりも少しなだらかな印象を受けながら、身に覚えのないトンネルをくぐり、フィニッシュ。頂上らしきところにつき、看板が立っていた。何か書いてある









「入山峠」と







僕たちはどうやら入山峠を登っていたらしい。

まあ仕方ない。全員が頂上に着いた後、来た道を引き返す。



途中「とまれ~!」と大きな声で言われる。



山口、またパンク。直す。再スタート。「とまれ~!」と言われる。船津、茫然。

山口、またパンク。直す。再スタート。「とまれ~!」と言われる。船津、悶絶。



が続き、約1時間半後くらいに本当の再スタート。

帰りの20号は、寒いのをごまかすために、必死に漕いだ。

途中で澤田さんと別れを告げ、日吉まで後輩たちを見送った後、

いつもの見慣れた道で、家路を急ぐ。



家につき、テレビをつけると、早慶戦の後、早稲田の斉藤佑樹がヒーローインタビューに答えている。


 「   最後に一つだけ言わせてください


いろんな人から「何か持っている」と言われ続けてきました。でも、今日、それが何かを確信しました。







      仲間です

                         」




ぞわっ!!

彼の言葉が僕の体を急に熱くした。



なんで、過酷なトライアスロンというスポーツが、今めちゃくちゃ楽しいのか。その答えは、彼の言葉の中にあるのかもしれない。



今日のロングライドが楽しかった理由もそこにあるのではないかと・・・・・そんなことをしみじみ感じた一日であった。



続く・・・