再び、アイルランド支局です。
今日は、猫ちゃんとはちょっと離れてしまうけれど、アイルランドの春のお祭りの話を書きます。
今夜は1月31日(まだアイルランドは31日です)。
ロシャスという沼地などに生える草で、セント・ブリジット・クロスを作る日です。
そして、2月1日は、インボルク。またの名をセント・ブリジット・デーと言って、
春の到来をお祝いする日
なのです。
だから、今夜はスプリング・イブ、とでも言いましょうか。
スコットランドに住んでいた時代、アイルランドに月に一回来ては、暮らしながら音楽を学んでいました。
ある時、ドネゴール地方のある村に行くことにしました。音楽以外の理由で。
なぜなら、民話などを語る、いわゆる「語り部」をされてるおじいさんがおられる、と聞いたからです。
小さい頃、幼稚園の頃でしたかね。先生に「大きくなったら何になりたい?」と聞かれ、「書道の先生か、語り部」って答えました。昔話が大好きだったんですよ。「看護婦」「警察」「学校の先生」「ケーキ屋さん」などの中に、ちょっと風変わりな私の将来の夢を、なんの疑問の持たず、受け入れて描いてくれた先生。ちょっと嬉しかったです。
さて。その語り部のおじいさんに作り方を教えてもらったのが、最初のクロス。
その時、「ロバには動物で唯一、背中に十字架を背負ってるという特徴がある。だから、ロバ用にもクロスを作るんだが、それは三角形
なんだよ」と教えてもらいました。
その時つくった三角のクロスは、しばらく私の乗っていた赤いバモスに積んでいました。私にとって、聖なる乗り物、それが車だったからです。
それからは、ロシャスを手に入れようとするのですが、なかなか日本でも生えていない。
なんでも、皮を剥いて乾かして、ランプの芯に使ったりしたそうです。なるほど、中がスポンジみたいで、フワフワしてるんです。手に入らないなら代用するしかない、ということで、紙を割いて使ったり、折り紙を丸めたりして使いました。
でも、今年は。自宅の前庭にちょろっと生えていたのが、ちょうど1個分作れるくらいにまで育ちました。念願叶って、自家製のセント・ブリジット・クロスを作ったんですよ。
結構作り方を知らない方も多く、日本人の私が、
アイルランド人の子どもやスタッフに(私、保育士なんです)教えることも多いです。
今は、鮮やかな緑。でもこれからどんどん乾いて、薄い茶色になっていきます。日本のお飾りと違って燃やしたりしないので、作る度にクロスが増えて行きますが、古いクロスを眺めるのも、好きです。
このクロスは、玄関や部屋の入り口などに掲げて、魔除にするんですよね。
聖ブリジットについては、ここには書きませんね。また、調べてみてください。
では、素敵な春が、皆様のところにも訪れますように
ふと思ったのですが。もしかして背中にクロスのある猫ちゃんも、この世界のどこかにいるかもしれないですね!見つけたら、ぜひ教えてください。そして、三角のクロスを…作っても…もらってくれないかもね
読んでくださって、ありがとうございました。
Pixie from Ireland