会う予定ではなかった魂が子宮の中で寄り添って
もうすぐ終わるかも知れないこの世界での時間を楽しんでいた
「私の設定した課題は、人の役に立つこと、だよ
私はね、何回生まれ変わってもこれが出来なくてな
今回、たまたま、ここに身体が多めに出来たということで
来てみたんだが、慌ててするもんじゃあないな、何事も」
自分は綿密に計画したはずだったのだが、と言うと
子宮の同居人は身体を上下させて笑った
「あ、動いた」
この子宮の持ち主、我々の母親になる人間の呟きが聞こえる
「そんな、まだ早いよ。気のせいだよ」
その母であろう人物は少々くたびれた様子だ
「生まれて来たいって、言ってるのかな。。。」
女性が腹に手をあてて摩っているのか、圧迫感を覚えた
こちらとしては、どちらでもいいのだ
彼女は今回我々を産まなくても、いつか産むことになるだろう
そうして、母親になり自分の課題、自分中心ではない人生をクリアして行ける
こちらとしても、この時代に必要な要件は
ツインソウルが完了してくれるだろうし
子宮の同居人も、次回はじっくり計画して降りてくればいい
それが100年後か、200年後かは分からないが
生物特有の子孫に対する愛着の感情が彼女に生まれたようで
その感情と課題をクリアするために必要なことである
という魂の記憶とが呼応すれば
我々を産もうと決断するかも知れない