三根地区にある「そば処 合月(あいつき)」。
八丈島に住む人なら一度は利用し、島外から来たお客さんを案内したことがある老舗のそば・うどん店です。
残念ながら諸事情で先月9月末で閉店となりました。
足を降ろして食事が出来るので、小さなお子様やご年配の方でもゆっくりくつろいでいただけます。
合月といえば明日葉うどんが有名。翡翠色をした細めのうどんがツルツルと喉を通ります。サクサクの海老や明日葉のてんぷらを濃いめのつゆにつけていただきます。
途中で島とうがらしを入れて、ぴりりとした辛いつゆがさらに麺の味を引き立てます。
鍋焼きうどんも昔からファンが多い一品。太めのうどんに大きな海老天と明日葉を添えて熱々をいただきました。
寒い季節だけでなく夏でも海水浴客やダイバーがこのうどんを食べて冷えた体を温めたりと、一年中よく売れている定番メニューでした。
鴨の出汁がきいた汁につけて食べる鴨せいろそばも美味しかった。
鴨肉の旨みが口の中一杯に広がります。
自慢のそばつゆをかけたミニ揚げ卵丼。とろ~り半熟の卵とご飯の相性は抜群。
ミニサイズなのでもう一品の頼みたいときのサイドメニューとしてよく出ていました。
ソフトクリームも食後のデザートとして人気でした。
こちらは八丈フルーツレモンのソフトクリーム。皮ごと練り込んであるので、ほろ苦く酸味のあるレモンとソフトの組み合わせが良く合いました。
香ばしく揚げたそばを添えた和のスイーツ「そばアイス」。
ソフトクリームと黒蜜ときなこは鉄板の美味しさです。
最終日も大勢のお客様であっという間に満席に。本当に今日で閉店するお店だなんて想像できません。
先日八丈島観光協会Facebookにて閉店のお知らせをさせていただいたところ、今まで利用されたことのあるお客様からの沢山の反響やコメントが寄せられました。
約60年間営業を続けて来られた歴史もあり、地元の方々や観光客のみなさんに深く愛されてきた店であった証です。
店を出ると赤いハイビスカスが玄関先を彩っていました。ふと還暦の時に羽織る赤いちゃんちゃんこを思い浮かべました。
一つの名店の灯が消えてしまう淋しさを胸にしまい店を後にしました。
長い間、八丈島の観光を支えてくれた「そば処 合月」。
またいつか味わいたい名店です。
60年間お疲れ様でした。そして、数々の思い出をありがとう。