トミー
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鍼灸師の高離職率はなぜ起こるのか
鍼灸師の主な就職先として、以下のようなものがあります。
○「接骨院」
現在では、日本の伝統療法である「ほねつぎ」は、ほとんど行われておらず、西洋医学の解剖学や生理学に基づいた運動器系疾患の治療が中心となっています。慢性的な肩こりや腰痛に対し、筋肉の疲労や血行不良の改善を目的として鍼灸治療を行っています。
○「スポーツ現場・スポーツ関連施設・介護福祉施設・リハビリ施設・在宅医療(訪問)」
これらの現場では、運動器系疾患に対するリハビリテーションや疼痛管理、コンディショニング調整、ケガの予防、疲労回復のサポートなどを行います。また、ストレッチによる関節拘縮の改善や可動域の回復を目的として、マッサージや鍼灸治療などを行います。
○「美容鍼灸サロン・美容施設・エステサロン」
美容鍼灸を専門とし、顔のたるみ・しわ改善やリフトアップなど、美容を目的とした顔面への鍼治療やマッサージを中心に行います。
○「鍼灸治療院」
WHO(世界保健機関)が鍼灸治療の有効性を認めている適応症は数十種類に及びます。神経痛や関節炎などの運動器疾患をはじめ、消化器系疾患、婦人科系疾患、小児科領域の症状など、幅広い疾患や症状に対して鍼灸治療を行います。
このような進路の選択肢がある中で、鍼灸治療院への就職を希望する新卒鍼灸師が最も少ないという驚くべき現実があります。
私は毎年、多くの養成校の就職説明会に参加していますが、どの学校でも鍼灸治療院の参加は、登美ヶ丘治療院を含めても多くて2〜3院程度です。そもそも鍼灸治療院は、接骨院などと比較して雇用を創出できていないという現状もあるのですが・・・。
しかし、私は卒業後まず取り組むべきことは、不足している“鍼灸治療の臨床研修”を補うことだと考えています。そのためにも、新卒鍼灸師は鍼灸治療院で経験を積むべきではないでしょうか。
現在、多くの学生は臨床研修が十分ではないという制度上の課題を抱えているにもかかわらず、鍼灸治療院ではなく、鍼灸治療を部分的に応用する職場を就職先として選択しています。この進路選択の傾向が、鍼灸師の高い離職率を招く大きな要因の一つになっていると考えています。
鍼灸師の新卒者における3年以内離職率は約38.6%と高く、さらに独立開業した鍼灸院の約35〜40%が5年以内に廃業するといわれています。10年を超えると、その割合は約60%に達します。また、鍼灸師の約9割が10年以内に業界を離れるともいわれています。
新卒鍼灸師にとって最も重要なのは、幅広い鍼灸治療を実践している鍼灸治療院で臨床経験を積むことです。この状況が変わらなければ、今後も鍼灸師を取り巻く環境や将来は厳しいままであり続けるでしょう。
『鍼灸治療は、西洋医学とは違う角度から人体を診る、もう一つの医学なのです』
















