先日、デスビからのオイル漏れ修理(リビルト品への交換)をして明らかな不調は改善されたAW11のスーパーチャージャー車ですが、タペット音がかなり大きくなっているのが気になり、クリアランスを調整する事になりました。
とはいえ、車上でシムの交換をする様な作業は近年やる機会も無かったので、このSSTを探すのにまず一苦労しました。
ご存じの方は少ないかもしれませんが、実は初期の頃の4A-Gの整備書に載っているSSTは、このタイプではないんですよね・・・
このSSTを注文して買った時に「えっ!これ?」って思った記憶があります。
エンジンが降ろしてあって新しく組む段階でしたら、仮に組んだシムで全箇所のクリアランスを測定した後でカムシャフトを外したほうが作業の効率は良いのです。
一時期、妙に拘って作業していた頃には「温間でシム調整しておこう」なんて事を言って実際にやっていましたが、体感できる様な違いは無いので、このSSTも久しぶりの登場になったという訳です。
オーナーからのリクエストは実はこちらがメインで、「カムカバーを綺麗にしたい」との事でした。
確かに、この状態ではエンジンフードを開けた時の印象は良くないですねー
裏側の状態ですが、綺麗とは言えないものの通常レベルの汚れ方だと思います。
まずは上手く養生をして表側だけをドライのブラストで腐食部分や古い塗装を一皮剥きます。
元の塗装はほとんど剥がれていたのですが、残っている塗装はなかなか剥がれないですし、特に4A-GZは文字が彫り込んであるタイプですので、溝の隅に残った塗料がなかなか取れなかったりするので苦労します。
深く腐食した部分は表面の凸凹が残ってしまいますが、これを無くすには更に表面を削るしかなく、今回のイメージとは違ってきますので、ここはこのまま行く事にします。
裏側はウェットブラスト(ソーダブラスト)で綺麗にしました。
表面もウェットブラストで仕上げています。
あえて文字は入れませんが、AE92やAE101の4A-GZはこういう仕上げなので、今回はこの状態で完了とさせていただきます。
これだけで雰囲気が変わりましたね~
もちろんタペット音も静かになりました。