この先もアタシを守ってくれるとイイな
🦆アタシの愛車がジムニー君に代わったので、さぞかしカーライフを満喫しているのだろうと思いきや、日常の通勤は、相変わらず🚴チャリンコなので、休日にちょこっと乗り出す程度なこの頃…。
…これまでジャラジャラとぶら下げていたキーホルダーも、スマートキーになったことで、別々に分けたら、多少はスッキリしたね(←スマートキーはチャムスのポーチに入ってます)。
…ところで、アタシのキーホルダーに付いている、メタル製のピルケースのようなモノだが、この中には、以前飼っていたイヌの歯が入っている。
…これを身に付けていると飼い主を守ってくれますよ、と霊園の人が勧めてくれたモノだ。
…まあ当時は、ウマイことを言って商売にするんだなあ、と話半分に考えていたが、ここまで無事にこれたのも、多少はコレのお陰なのかも知れないな、と思っている。
…そもそも、その飼っていたイヌだって、買い求めたり貰い受けたりしたモノではなく、通勤の途中で、アタシが轢いちゃったイヌなのだ。
…もう30年以上も前のコトだね、山あいの道を走っていたら、突然黒い影が飛び出してきて、やばい!とブレーキを踏んだが間に合わず、クルマの下で鈍い衝突音と悲痛な鳴き声が響いたのだ。
…ああ!可哀想なことをしてしまった、とクルマを降りたら、なんとこちらに首をもたげたので、ああ!生きてる!と思って、知り合いを頼って紹介してもらった動物病院に駆け込んだ。
…診断としては、前足を脱臼しているので、しばらくは固定して様子を見ましょうと。
…様子を見ましょうと言ったって、放っておくワケにも行かないので、包帯ぐるぐるの野良犬くんは、我が家で面倒を見ることに。
…もちろん、快方に向かった頃合いを見て、その後の対応を考えなくちゃだが、その脱臼した前足を引きずりながら動き回るので、傷だらけになった部分に雑菌が入り込んでしまい、このままでは脚が腐ってしまうと、獣医の助言もあって、やむなくその足を切断したのだった。
…そうなると、もう死ぬまで面倒を見るしかナイと腹を決めて、正式に飼うことになったのであります。
…3本足になってしまったそのイヌは「茶々」と名付けられ、我が家の一員となったのだが、野良犬時代の習性が身に付いてしまっているのか、犬小屋を与えても入ろうとせず、寒い夜でも毛布を庭に引っ張り出して、月明かりの下で眠るのだった。
…前足が不自由になったので、大人しくしているのかと思いきや、その分、異常に前足の筋肉が発達して、ビックリするほど活発に動き回るようになり、いつしか脱走の常習犯になっていた。
…もちろん、逃げ出してもスグに連絡が入って、強制送還されるワケだが、意外にも周辺の人には好かれていたようで、御近所の幼稚園児たちが散歩の折には、庭に寄って、交流を深めていたという。
…そんなある日の夕方、ばあちゃんが散歩に連れ出したところ、ルートの途中で急に倒れて動かなくなったのだそうだ。
…いつもと様子がおかしいと思ったところ、急に立ち上がって、ばあちゃんを無理矢理引っ張って庭へ戻り、そこで再び倒れて、二度と起き上がることは無かったという。
…その連絡を受けたアタシは、仕事を早々に切り上げて駆け付けたが、小さなかたまりは、毛布にくるまって冷たくなっていた。
…果たして、アタシとの思いがけない出会いが、幸か不幸かは分からないが、9年間の付き合いだったな。
…動物病院に駆け込んだあの時、獣医さんにこう言われた。
…道端に咲いている花は、そこで花を咲かせていいよ、という周りの優しさがあるからだと私は思っているの。このワンちゃんもこうして生かされているのは、アナタの優しさなのよ。
…こっちは、命を傷つけたワケだし、それが優しさかどうかは、分からないけどね。
…写真も何も、思い出に残るモノは、これひとつなのだが、今日もアタシを守ってくれているのかな、と思いつつ、イヌにせよネコにせよ、決してアタシの前に飛び出してこないでね、と願うアタシなのである。
…ばあちゃんと茶々が、あの世で無事に再会を果たして、一緒に散歩してくれてることを日々祈りながら、今日も安全運転で参りましょう。
…皆様、御自愛下さい。