Aは泳げないと言っていた。

28歳には泳げるようになってると言っていたが、見るからに運動神経は良さそうに見える。


Aがいない時にHに聞いた。


俺『なあ、Aって本当に泳げないのか?どうみても運動神経は良さそうだろ』


H『Aは本当にまだ泳げないよ、金づちって言うと怒るし』


俺『不思議だなぁ、俺もまあ運動神経は良かったと思うけど練習が嫌だったからなぁ、Aも最初から出来ないのはやらない派とみた』

H『全然違うよ、Aは練習とか出来ないことが出来るようになるのすごい好きだもん!』


俺『だよなぁ、まじで不思議だ』


H『やすになら言ってもいいと思うけど、理由があるんだよ、本人は認めないけど。

学校にね、運動神経は絶対いいのにいくら練習してもなかなか泳げない友達がいるんだよ。水泳って走るのが遅くても泳ぐのは得意ってあるでしょ?

その友達は泳げないことをすごい気にしてるんだって。

きっとAはその友達より先に泳げるようになりたくないんだと思うよ。

一人だけ泳げないのは辛いからね』


俺『まじか!?そんな理由で泳げないのか?』


H『そんな理由って言うけど、Aにとってはその方がいいってことだと思うよ』

俺『不思議なやつだなぁ、出来ない奴に合わせてたら何にも出来ないだろ?いいのかな?』


H『わかんないよ、今度Aに聞いてみたら?』


俺『そうだな、聞いてみるよ』


13話 Aの価値観


に続く