テストレポート OTK M7 | REGOLITHのブログ

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こんにちはREGOLITH神田です。

レーシングの世界で、今では重要な項目の1つ
エアロ

空気の流れを綺麗に流して抵抗を減らしたり、
空気の流れを利用してダウンフォースを得たり。
そのバランスのせめぎ合いを極めるのが現在では必要不可欠、
その進化の歴史は凄まじく
F1では
レギュレーションの虚をついた二層式
ダブルデッカーディフューザー
取り込んだ空気をウィングに吹き付けて強制的にダウンフォースを減らす
Fダクト
などの革新的なインターナルシステムや
排気ガスまでエアロに利用した
ブローンディフューザー
などそのどれもがマシンに大きな影響と栄光をもたらしました。

エアロは我々の生活にも無関係ではなく、
車や新幹線の形も昔と随分と様変わりし、
ゴルフボールのくぼみなんかも立派なエアロデバイスです。

しかし、
レーシングカート界ではそこまで重要視されてないエアロ効果。
本当に考えて作られてるかどうかよくわからない形のカウルや、ボコボコのカウルで平気で走っているドライバー。
カート界のエアロに対する意識はそこまで重要では無いように見られます。

とは言え
この部分があまりに進化しすぎても、カートならではのシンプルさを損なう危険性もあるのでなんとなく触れてはいけない部分ではあるような気もします。
なので、エアロに関しては深く追求しない、そんな雰囲気がカート界には少なからず流れています。

そんな中、突如登場したのが今回の M7カウル。
巨大化し、複雑怪奇な形状を描き、大きくエグられた中央部。

これが
『ただのデザイン』
ではないと誰が見てもわかる、どう見てもエアロパーツと誰もが思うカウルがついに登場してしまいました。

さて前置きは長くなりましたがさっそく検証していきましょう。

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形状は目を惹く中央部分だけでなく先端も巨大化。1.5倍近い幅があります。
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重さも見て見ましょう。
ステーも専用の形になっているため
ボディ+ステーの重量です。
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旧型 M6は700グラム
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対して今回の M7は1200グラム!
かなり重くなっています。
今回は鈴鹿でテストのため
周回数は少なく、データの確実性はまだまだですが、とりあえず M7を使用、そこから M6に変更、再び M7という流れをとりました。
車両はマスターズMAX
ドライバーは僕が担当しました。

まずは単純なベストタイム時の比較をしていきましょう。
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赤色が M6
青、緑が M7
上がスピード
下がデルタ(基準タイムに対しての差を示すグラフ、上にいくほど速く、下に行くほど遅い)です。
スピードのグラフはあまり変わり映えしませんがデルタ値は中々に興味深い傾向が取れました。
グラフの始まりから下の数値496と書いてある部分までは
ホームストレート、裏ストレートをつなぐ外周の高速区間、 M7が示す青色と緑色のグラフは少しの乱れはあるものの上昇傾向( M6の基準に対して速い状態)すなわち高速セクターの速さがある状態。
496の数値から先はS字コーナーから始まるテクニカルセクター。
ここでの立ち上がり複合コーナーが基本的に M7は負けています。
逆にここで M6は運動性能が高く、青色緑色のグラフに対して高速セクターの遅れを取り戻しています。
緑色のグラフはギリギリ持ちこたえていますが、青色は逆転されています。

そこからは目立つ変化はないものの基本的にクイックさが求められるコーナーでは軽量な M6が脱出で速い傾向にあります。

ベストタイムだけのシンプルな判断では、 M7は高速セクターは◯
低速セクターは×
単純に付け替えるだけではダメで重量に対してのバランスどりが求めらるという傾向が見られました。

ただ、このベストラップのデータだけではたまたまそのコーナーがうまくキマッただけ、という説も否定できません。
なのでセカンドタイムのデータも検証してみましょう。
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やはり496区間
4コーナー立ち上がりからS字に似たような傾向アリ、
やはりフロントに置かれた重量が影響しているのかもしれません。


次にとったデータは今回このカウルの最大の狙いであるだろうMAXスピード、
ランダムに最高速度を引き出し、その平均値を比較します。
結果

M6  111.12km/h
 M7  112.14km/h

予想通りの展開(?)
やはり M7の方が1km/h速い!
今回の最速スピードもスリップを使った時とはいえ117km/hを叩きだし、 M6の114km/hを圧倒!
開発側としては間違いなく
『狙い通り』の結果と言えるでしょう。



今回のテストはまだまだ時間も短く、ドライバーも1人に絞られているため、高い信頼性を示すものではありません。
測定データもシンプルな物で、仮説の範囲になりますが、
結果としては
 M7は高速セクターの速さはあるものの1200グラムの重量が運動性能に影響している部分もある
という結論に至りました。

したがって
鈴鹿や瑞浪なら、バランスを見直せば見込みがありそうですが、
ショートコースでの効果はあまり期待できそうにありません。

今回このカウルを
僕はアップグレードパーツだと思っていました。
交換すれば良い効果をもたらし、基本的にデメリットはないものだと考えていましたが、
そんな事はなく、
これも1つのセッティングパーツであるという形で理解をしました。
即ちコースの特性、気候、エンジン、タイヤ、ドライバーに対して合う、合わないがあるというパーツと言うことです。

個人的には、カートはシンプルでいて欲しいと思っています。
こう言うパーツがどんどん増えて複雑になっていく事はあまり歓迎できない僕にとっては、良し悪しがあると言う結論が出て少しホッとしています。

まだまだデータとしては貧弱ですが
僕の見解では必ず良いと言うものではありません。
あなたの今つけているカウルにもきっと良い所悪いところがあり、自身のドライビング、コースの特性、タイヤ、気候、エンジンの全てを整理し
必要かそうでないか決める事をオススメします。

驚愕のエアロデバイス
OTK  M7
エアロ戦争の火種となるカウルとなるのか、はたして。。。