この後、1日半して娘は目覚めました。

様子を見に行くと、点滴スタンドを押しながら、重たい足取りでゆくりと歩いていました。

 

体調は最悪のようでしたが、「大丈夫?」と、声をかけると軽くうなずきました。

しばらく、次にかける言葉が見つかりませんでした。

 

たぶん、深いため息を何度かついたんだと思います。

この深いため息が、私の今の想いの全て。「なんで、あんな事…」ギリギリ聞きとれる声で、そう言ったと思います。

 

「ごめんなさい。」娘も、微かな声で、うつむきながら背中は丸めたまま言いました。

片意地ばかり張っていた攻撃的な感じはなくなっていました。

付き物が取れて、素に戻ったように見えました。

 

「なんで?」困り果てた私は、この一言だけは、思わず声に力が入りました。

 

「お母さんには、分からないよ。」吐き捨てるような言葉。

私は必死なのに、娘に見はなされたように感じました。

 

その姿に申し訳なさを感じたのか…「自傷する少女っていう本が、私の部屋にあるけん、その本を読んで。」娘は、それ以上は何もしゃべりませんでした。

私も、なにもかも分かりませんでした。

悲しみなんかじゃない、空っぽになっていました。

 

空っぽ。