お、落ち着かない……。
僕はひとり、ソワソワする。
目の前にはこたつや卓袱台。重ねられた新聞紙。少し古いテレビ。
おずおずと見上げると、ご先祖さまっぽい写真や店主の若い頃の写真。
やはり、落ち着かない。
それでも僕は、目の前に置かれたお冷に口をつける。
今日のお昼、僕は近所のラーメン屋にいた。
ガガ祭りから一週間。
残務作業は終わったとはいえ、なにやら一気に細かな仕事が降ってきたのだ。
来年出す予定の、本の骨子もあげねばならない。
連載もあるし、ムック本の取材問い合わせなどの対応も一気に増えた。
例によって仕事で疲れた妻はお昼ごろまで寝ているから、週に何回は僕はひとりで昼食を食べる。
むふふ、これが楽しい。
今日は何を食べようかと考えるのが嬉しい。
そして僕の今日の胃袋は、近所のあっさりラーメンだったのだ。
ジョギングを終えてシャワーを浴び、僕はいそいそとお店に向かう。
ところが、店は満員だった。少し待てば入れるかなと思ったが、見ればかなり混んでいる。
(残念だけど今日はやめておくか。外で待つのも寒いしな)
僕はそう思った。
しかし、そこに店のおじさんがひょっこり出てきたのである。
「ひとりか?」
「ひとりです。混んでますね、また来ます」
僕は店を後にしようとする。
しかし、おじさんは言った。
「おい、奥の座敷に入っていいよ。そこで食ってけ」
え、座敷?
と、思って入ると……
なんとそこはほとんどおじさんのプライベート空間だっだという話(笑)。
いや、混んだ時にはここまでお客さん入れるんでしょうね。
そう、思ったけど、人様の生活空間で頼んだラーメン待つのは落ち着かないにもほどがあります
どこ見りゃいいの~。
そのうち、おじさんが「はいよ」って持ってきた、ワンタンメン大盛り
待ってましたよ、これでやっと落ち着く。
サッと食べて帰ろうと思ったら、
「なんかちょっと痩せたんでねーか?忙しいの?仕事」とまさかの会話に発展っ
に、認識されてるっ
「いや~、体重は変わらないんですけどねえ。ちょっと忙しかったからかなあ、ズルズル」なんて会話を交わして、帰ってきました。うまかったな、ラーメン。
いや~、それにしても、うまかったけど落ち着きませんでしたよ(笑)。
最近、近所の人にも「お疲れ様」って声かけられること多くなったから、変なことできないなあ
おじさん、ご馳走様でした。
また、行きますよ。今度は普通に席に座りたいですけどね
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