深夜、なんとなく息苦しい。

すごく狭いところで眠っている気がする。

四肢が固まるような狭さだ。

身体が動かなくて、目が覚める。

決して金縛りなどではない。

 

隣に目をやると、妻の姿がない。

枕元に置かれた文庫本。読み込んだものらしく、帯がずいぶん寄れている。

しかし、何が起きた???とはならない。

 

僕は冷静に起き上がり、ベッドから降りる。

裸足の指先に、フローリングの床が冷たい。

反対側に周ると、その冷たい床に転がった妻を見つける。

僕は彼女の手首を掴み(意外に骨っぽくたくましいので、がっしり掴まないといけない)、

また寝ぼけながらも妻も慣れた様子で起き上がり、ノソノソと再び布団に潜り込む。

 

しかし、しばらくすると、再びスルスルと滑るように床に落ちていく。

僕はベッドの端でできるだけ小さくなって……眠る。

 

なぜなら……

 

 

 

 

 
世界の中心で愛を叫ぶ的に、

布団の中心でとらが寝てるから!!

 

 

お、重い・・・笑い泣き

 

そしてワカさんは、そんなとらをよけて、冷たい床に落ちてゆき。

僕は布団の端で、大きな体を小さくして眠るのである。

 

 

 

皆さん。

決して猫はどけません。 

猫は家庭の中心です。

 

猫あるある。

おキャット様、万歳(笑)。

 

 

 

 

 

 

好評発売中です!!

 

 

 

 

 

 

 

 

 
 
 

 

 

(令和3年3月21日 読売新聞朝刊)

 

 

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