「おい、死神」

 

 

そう言ったのは龍神ガガである。

 

「おい、起きるがね。し・に・が・み」

 

 

 

 

「うるさいわね。ちゃんと起きてるざんすよ。ミーは黒目が小さいから見ようによっては白目剥いてるように見えますが、

基本いつも目は開けてるざんす」

 

骨をポキポキ鳴らしながら答えたのは、

死神のハーベストだ。

人は彼女を死神Hと呼ぶ。

 

「ところで、ガガさん。どうかしたざんすか?ミーのところに遊びに来るなんて珍しいじゃないの」

 

「うむ。少々聞きたいことがあったのだよ。死神、おまえよくばーげんに行くだろう?」

 

なんと、龍神の口からバーゲン。

神々しさとはかけ離れた話になりそうなのは気のせいか。

 

死神は嬉しそうに答える。

 

「あら、アンタもバーゲン行きたいざんすか?ちょうどよかったわ!!

死神上司にお歳暮を贈るのよ。

四越送料無料安らかな魂回収アイスクリームを買おうと思ってたざんす」

 

「なに?ヨツコシだと?

人間界でのミツコシのようなでぱーとかね?なかなか高価ではないか?」


「いやねえ、だからバーゲンに行くんじゃないの。送料無料が狙い目ざんすよ、送料無料~」

 

送料無料にこだわる死神。

いろいろと突っ込みたいところだが、今日のところはやめておこう。

そして四越……なんという出来過ぎたデパートの名前だろう。

だがしかし、それよりも気になって仕方ないのは、やはり

安やかな魂回収アイスクリームだ。

一体どんな代物なのか、どんな味なのか、バニラか、チョコか、それとも……

 

「おまえ、そんな高価なところでお歳暮買うのかね?

けっこう給料もらってるんじゃないかね?

うらやましいがね!!我は無給だぞ!!

バカなアイツらのために日々せっせと

タダ働きだがね!!」

 

 

注意バカなアイツら)

 

すいませんね、僕ら給料あげられなくて。

でも、ガガさん、龍神にお金は必要ないって言ってませんでしたっけ?

 

 

「あらそうざんすか、それはお気の毒ね。

だけど、変だわね。こないだ確かアンタの相棒の黒龍さんが……」

 

死神は腕を組んで考える。

ん?黒龍さんが?

一体どうした?

 

「なに?黒龍がなにかしたかね?」

 

 

 

「上司の神様からちゃんと給料もらってたざんすよ~。

友達の、見えない世界銀行日本支店のホネ子ちゃんが窓口対応したらしいわ。

かなりお稼ぎのようざんすよ。アンタの通帳も黒龍さんが管理してるから大丈夫じゃないの、きっとそうよ」

 

 

なんと!!

黒龍さんが通帳を持っている!?

しかし、まあ、想像はできる。

 

なんせ、僕を守ってくれている龍神様だもの。

通帳(しかもたくさんお金が入っている)が嫌いなわけがない。

 

しかし、自分が無給で黒龍さんが有給だと知ったらガガは怒らないだろうか。

 

「クワ―――ッ!!!

我としたことが、ぬかったがね!!

おのれ黒龍!!!」

 

ほらね、やっぱり怒るに決まってる。

これは大変だ、早く黒龍さんに知らせないと!!

 

 

しかし、ガガはこう言った!!

 

「黒龍だけつーちょーというものを持っているなどズルいではないか!!

我も欲しいのだよ!!

つーちょーつーちょー!!」

 

 

……(^^;)

 

 

給料の話じゃないんかい(^^;)

 

通帳を持ってみたいだけなのね。

 

 

朝からどうでもいい話をお送りしました。

ま、たまにはこんなチンケな話もいいかと。

 

 

 

 

 

「チンケとは失礼な!!

タカや、今すぐ我のつーちょーを用意したまえ!!

今すぐだ!!」

 

……あせる

 

い、言わなきゃよかった。

 

 

それでは皆さん、笑ったところで今日も良き日にウシシ


いってらっしゃ~いウインク

 

 

 

好評発売中です!!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

(令和3年3月21日 読売新聞朝刊)

 

 

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