ものすごく突然ですが皆さん、
「イップス」ってご存知でしょうか?
最近、この病気について知られるようになりました。
イップスとは、何も考えずにできていた当たり前の動作が突然できなくなってしまう症状のことです。
まあ、神経的な原因や要因で、それまで普通にできていた動きがパッタリとできなくなってしまうんです。
もともとはゴルフで言われ始めて、最近では野球やその他のスポーツ、また他の分野でも知られるようになってきました。
阪神の藤波選手もそうではないかと言われましたし、あのイチローさんも高校時代からオリックス入団後の数年間そうだったとインタビューで話しています。
最近では、トヨタのCM「神スイング」で有名になったタレントの稲村亜美さんが始球式で投げられなくなった原因がイップスだったと告白しています。
でね……
なんで朝っぱらからこんなことを書くかといいますと……告白します。
実は、僕たちも、
イップス持ちなんです。
冗談でもなんでもなく、今日はとってもマジメな話。
まず僕の話をしましょう。
最初に「それ」を感じたのは小学生の時でした。
当時、所属していたチームで僕はピッチャーを任されました。
で、試合の日。
肩の調子も良くて、1回を完璧に抑えました。
で、次の回です。
突然、ストライクが入らなくなったんですね。
正確に言うと、指先が全然動かなくなっちゃった。
ボールを握れども握れども、まともに投げられず、当然マウンドは降ろされ。
以後、投げる機会は一度も与えられませんでした。
だけど、当時は「イップス」なんて概念がない。
大体、自分自身が不思議で仕方ないんですもん。
「なんで急に指先が動かなくなったんだろう?」って。
きっと精神的に弱いからだ!もっと頑張って強くならなきゃ!なんて思っちゃったりね。
そして、焦れば焦るほど体が思うように動かなくなっていく。
まあ、周りの監督や同級生たちも、ただのノーコンとしか思わなかっただろうし。
「突然、指が動かなくて投げられなくなった」
なんて言っても理解してもらえるわけないし、言い訳じみてカッコ悪かったので説明しませんでした。
で、中学校の時は、大きな影響はなかったんですけどね。
なんと高校生の時に、再び出ちゃったんです。
あれは練習中、苦手な先輩を相手にしたフリーバッティングの時のこと。
「おい、ちゃんとうまく投げろよ!!」
その一言で、異常に緊張したんですね。
指がね、全然動かなくなっちゃったんです。
そしてまたボールが投げられず。
繰り返しますが、当時は誰も「イップス」という言葉さえ知らないわけで。
僕自身も、そんな精神性の症状があるなんて想像もしませんでした。
そして、ある時に監督から、
「明日の練習試合、出られるか?」
と聞かれて……
本当はすっげー出たかったけど、自分がちゃんと投げられる状態じゃないと判断しました。
チームに迷惑をかけるわけにもいかなかったし。
気持ちを抑えて
「スイマセン、肩が痛いので……」
と言って辞退したシーンを、今でも思い出します。
あ……(^^;)
なんかセンチメンタルになっちゃった。
言いたいのは僕のこの症状。
長い年月を経て、
「あーーーーー!!あれってイップスの症状だったのかっ!!」
と、初めて気付く。
時の流れは様々な未知の解を出してくれる。
医学や研究、データ、臨床、恐るべし。
いや、でも、ホントにね。
一旦、焦り出すとどうにもこうにも、思うようにいかなくなるんですよ。
もしかしたら今でもあるかもしれない。
今はもうやらないけど、
社会人になって、「さすがにもう大丈夫だろ」と会社の野球部に入った時にも、
ある特定の条件が揃うと投げられなくなりましたから。
まあ、アマチュア野球だし、野手だったのでバレないようにうまくごまかしましたけどね(笑)。
で、本題。
今、うちの妻がイップスです。
今です(笑)、今。
まさに、なう。
ブログを急にストップさせたりしてたから、なんか変だなと思ってた方もいるかもしれませんね。
イップスというか、職業性ジストニアなんて言われたりもするようですが、
共通しているのは、
「自分の意識とは裏腹に無意識に筋肉が硬直を起こして、思ったような動作ができない」
こと。
一番最初に
「タカ、なんか字が読めないんだよ。変だな〜」って、不思議そうに僕に訴えたのは2年ほど前でした。
あれは桜の頃だったかな。
聞けば、本や新聞の字が全く目と頭に入ってこないんだそうです。
でも、その時は少し休んだらウソみたいに直った。そしてまたすごいスピードで、仕事をサクサクこなしていました。
まあ、妻の場合は出版を経てから、
「多くの人に喜んでもらいたい」
「いい作品を作って残したい」
という思いが強いあまりに、そういうことが起きたんだと思います。
そして、昨年の今頃から時折り同じ症状が見られるようになりました。
くわえて、秋から顔の右側、特に目元がたまに動かなくなった。
痙攣もあったので、もちろんちゃんと主治医に相談しましたが、脳に異常はありませんでした。
これは昨年末に妻が自分のブログでコクハクしていましたね。
まあ、コロナ禍で人と会う機会がなくなりましたし、マスクもしているので、
これまた上手くごまかせていましたし、特に困ることもなく。
じゃ、なんでいま頃こんなこと?という感じなんですけど、先週明らかに妻の状態がとても困ったことになりまして……。
何しろ昨日まで読んでいた本が読めないという。
字がまったく入ってこないんですって、目にも頭にも。
スマホも見れない、メールもわからない。
加えてものすごく冷静なんですね。
「いや、参ったな。タカ、どうしよう」って。
いや、どうしようじゃねーし(笑)。
で、冷静に話を聞くと「字が目に入ってこないことで、異様な恐怖を覚えた」って言うんですよ。
「もう字が読めなくなったらどうしよう、本も読めない、作品も作れない、どうしよう」って、震えるほど怖いんですって。
夜中に冷や汗かいて飛び起きるんですよ。「もう字が読めない、本が読めない、どうしよう」って。
ショックもあって、数日間寝室から出てきませんでした。
ところがねえ、日曜日に、「私はとてもこわいのだ、作品を生み出す力を失うことが、死ぬほどこわいのだ」という感情がわかったら少し楽になって。
それから読み慣れた本を開いたらちゃんと字が読めたし、ちょっとパソコンにも向かえたんですよ。
「あれ?できる……できてる……よ、よかった……(涙)」
そう、自分の本当の感情に行きつくって、すっごい解決策になることを痛感しました。
うちのワカさんは「突然襲ってくる謎の文字が読めなくなる発作(?)」が恐くてどうしようもなかった。
だけど、それをバレたくないからここまで隠してしまった。すると、ごまかす分だけどんどんひどくなってしまった。
で、昨日あたりから筋肉も動くようになりました。
指も動き出したみたい。
でも、またなるかもしれないし、なった時に必死にごまかすのも大変だし(なんせ家族も知らん、スミマセン)、もういいや。
全てを話そう、ってなった(笑)。
こういう人、きっといるんじゃないかな。
気が付いていないだけでね。
まあ僕は、野球が職業じゃないし。
ワカさんは仕事ではあるけど、なんとか解決策というか、バラしちゃえば楽になるかもだし。
何年か前に馬術の試合で思いっきりイップスの経験あるし。
「ま、そんなこともあるよね」
「命まで取られるわけじゃないし」
そんなふうに割り切りも必要だと思ってます。
結構、大事かもね。
「そんなこともあるよね、まぁいいや」
って気持ち(笑)。
いやー、突然朝からこんな話でスミマセンねえ(^^;)
ただ、カミングアウトは楽になると思い、ぶっちゃけました。
大体、ここ数日ワカさん外に出なかったのって身体に支障があったからでね、なんせ危ないから(笑)。
ちなみに僕の「野球で突然投げられなくなる」って話。
これまで誰にも言ったことありませんでした。
親にも、同級生にも、先生や監督にも。
だって・・・
イップスって言葉、知らんかったから!!(笑)
いろんなことがわかると、
人って生きやすくなるのかもしれませんね。
僕も、皆さんが知らない世界の物語を、これからも、たくさん書いていきます。
それで楽になってくれる人が一人でもいたら、それだけで幸せですから😊
もちろん、日々起こる様々な状況と折り合いながらね。
さて、なんかスッキリしました。
僕的にはいい朝です。
今日も健やかにいきましょうね。
では〜
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