皆さん、おはようさんです。
気分良く起きんしたか?





タカの守護霊、暁(あかつき)ですよ。

 

今日は晦日。

こっちの世界には連休も何もありませんからねえ。

ガガさんも黒龍さんもずいぶんお忙しいようで、

今日はわっちがお話しましょか?と、申し出たんですわ。

 

そうですねえ、今日は天神さまのお話でもしましょか。

 

最近、うちのタカはよく天神さんのところにお参りに行くんですが、



天神さんと言えば、わっちが人間として生きてた時にはもう学問の神さまとして広く信仰されてたんよ。

 

せっかくやから今日は、天神さんなど怨霊となった人々が神様になった経緯を話してみようかねえ。

わっちらの時代にはみーんな知ってたことですけど、最近では学校でも教えてくれんようやしねえ。

 

古(いにしえ)の時代から日本人は、

「神霊には『和魂』(にぎみたま)と『荒魂』(あらみたま)がある」

と、信じとりましたのや。

 

和魂は、人々に恵みをもたらす優しい一面。

荒魂は、天変地異を起こすほどの荒々しい一面。

 

そして、大事なのはここでなあ。

荒々しい荒魂も、きちんと敬い祀られることで優しい和魂へと性質が変わるとされていたんやよ。

 

ちなみにこれは人間も一緒なんよ。

というのは、人間も神様の子孫やろう?

氏神様いうんは、自分の血筋を遡った神様という意味やからねえ。

 

だから怨みを抱いて死んだ人間は、強い荒魂を持った怨霊となるといわれたんよ。

 

天皇のブレーンとして右大臣にまで昇りつめながら、謀略で太宰府へ左遷され、亡くなった菅原道真公。

桓武天皇の弟でありながら、藤原種継暗殺の疑いで幽閉され、恨みを抱いて死んだ早良(さわら)親王。

後白河天皇との皇位継承争いに敗れ、死んだ崇徳(すざく)天皇。

 

彼らの死後に起きた天変地異や関係した人々の謎の死が、怨霊となって起こしたものと恐れられたんやねえ。

特に道真さんの死後は、道真排斥の首謀者と目された藤原時平が39歳の若さで死去。

皇太子の保明親王も21歳でこの世を去り、次の皇太子も亡くなりましたし。

その後、宮中にが落ちて朝廷の要人の多くが死傷する事故まで起き、醍醐天皇もこれにショックを受けて、三か月後に崩御したほどだったから、人々が恐れおののいたのもしょうがないさね。

 

ちなみにこの時に

「菅原道真公は、雷神まで操る」

と語られるようになり、雷神としての側面も持つようになったんやよ。

雷雲は農業に必要な雨を降らせるから、同時に農業の神様にもなったんねえ。

 

まあ、そんなわけでこの菅原道真の荒魂を盛大にお祀りして祟りを鎮め、

自分たちの守護神となってもらおうと考えて、北野天満宮が創祀されたんよ。

怨みを持って死んだ人間の荒ぶる魂でさえ、敬い祀ることで自分たちの守護神とした。

 

これが「御霊神」(ごりょうしん)という日本人独特の考えさね。

 

今では優しい学問の神様として、慕われ続けとるわけやねえ。

嬉しいやないの。

 

ちなみにわっちは、花魁として生きとった頃は加賀藩におったんやけどね。

加賀藩第12代藩主、前田斉泰(なりやす)は、菅原道真の子孫やと言われとるんやわ。

 

その証拠に、北野天満宮には彼が奉納した石碑が境内にあるんよ。

他にも北野天満宮には、前田家ゆかりの品々が納められとるのはそのためさね。

 

加賀藩にゆかりのある血筋で、しかも加賀藩で生きたわっちが守るタカが、最近妙に天神さまに惹かれるのも当然のこと。


皆さんの中にも、最近よくタカが榴岡天満宮の写真をあげるのに気付いていた方もいるんやないかねえ。

まあ、タカはスカポンタンやから、まだ気が付いてないかもしれんけどねえ。

 

おやまあ、ちょっとしゃべり過ぎましたなあ。

ついつい、楽しゅうてねえ。

わっちも昔のことを思い出して、なんだか嬉しくなってしまいましたわ。

 

それでは、読者の皆さんもごきげんよう。

よい一日にしてくださいねえ。

守護霊はちゃんと、皆さんのことを守っていますのでねえ。

今日も一緒に頑張りましょな。

 

 

 

 

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(令和3年3月21日 読売新聞朝刊)

 

 

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