僕は今、来年一発目の作品を執筆している。





 

編集者さんの熱い思いで生まれることになったというキッカケがあり、

そして、まあなかなか高度な「技」を求められているわけだから、

やっぱりなかなかに頑張らなくてはならない状況にいる(笑)。



ただ、幸運なことに僕は本を書くことが仕事として成り立ち、

それに集中すればいいだけだから、その点ではものすごく気が楽だ。

 

現実的な話になってしまって恐縮だけど、やっぱり仕事をしなければ生きていけない。


知ってる方も多いと思うけど、僕は元々、誰もが知る大企業に所属する会社員だった。

 


そこでゲーム機を作るエンジニアをしていたのだが。

もともと好きなことに夢中になる僕にとっては、昼も夜もないくらい楽しんでやっていた仕事だった。

 


生活必需品でないゲームという、

「あそび」のある物を作るのがとても楽しかった。

 


生きていくのはなかなかに大変なこともある。

 

だからこそ、生活に絶対必要じゃない「余裕」と「遊び」が必要だと、僕はずっと感じている。

 


だから、エンジニア時代も僕はそんな仕事が好きで、それを中心に生きていた。

 

だけど、リーマンショックの後から、急に仕事がつまらなくなった。

 

社会全体がそうだったように、

「同じものを金をかけずに作れ」

が合言葉になったのだ。

生活に必要なものを、金をかけずに(遊びなく)作らなくてはいけなくなった。

 

社会人としてはあまりいい考えではないかもしれないが、正直に言って僕は

 

「つまらん」と、心の底から思ってしまったのである。


それから、仕事に情熱を燃やせなくなった。

 

そりゃ給料はよかった。

だけど、毎日がなんとなくおもしろくなかった。

このまま、何年も時が過ぎていくのかなと思って、こわかった。

嫌だ。

俺はもっと楽しく人生を生きたいんだ、と思った。

やっぱり心が生きていないと、人生は充実しない。


それでももちろん恵まれた生活だったと思う。


 

でも、その後で東日本大震災があり、僕の故郷が見事に津浪にさらわれ、たくさんの物を失った時に、

 

なにかちゃんと生きた証が欲しいと強く思ったのだ。


これはもう、心の奥底から湧き上がってくる「本能」以外のなんでもなかった。


それで、グダグダの政治に憤りを覚え、

「政治家ができなきゃ俺が!」

という衝動で、エンジニアをしながら選挙に出るという無茶をして……

まあ、そっちに片足を突っ込んだ。

 


だけど時間が経つにつれて気が付いた。


「あ、ここは俺がいる場所じゃない。

たとえここで成功しても、俺はこの仕事に心を燃やせないな」

と。

 

 

政治は今でもおもしろいと思うし、いろいろ意見したいこともある。

だけど仕事としてその道に入るのには、違和感があったのだ。

 

というか、心が湧きたたなかった。


そして、その時から「好奇心に従うこと」に決めた。

 

理由は簡単だ。

その方が、楽しかったから。充実したから。


そもそも会社を辞めた時だってそうだった。


「辞めちゃいなよ、なんとかなるって」

って言ったのは、何を隠そうワカだった。

 

後で聞いたら、

「夫がつまらない仕事をしているのは嫌だ」

と思っていたらしい。

 

つまりは、夫婦でバカだったということだ。


だけど、バカで良かった(笑)。

その結果、じつにおもしろい人生だ。


そして辿り付いたのが「本を出す」ことだった。

とはいえ、僕には出版社へのコネもない。

それよりも何よりも、致命的な問題があった。


なんと、僕は文章を書くのが何よりも苦手だったのだ!!

本は大嫌いで、それまでまともに読んだことなんてなかった。

国語の勉強も、テストや受験に必要だからやっていただけだ。


それを、一体なんで「本を出したい」と思ったのか。

今でも正直よくわからないんだけど、きっとこれが「好奇心」の結果だと思っている。


もちろん、本を書くと決めた時から、たぶん努力をした(と、思う)。

苦手だったことに取り組むわけだから、だけどそれをやりたいわけだから、

腹を決めて取り組まなければならないと思った。


で、意外にそれが苦じゃなかった。

というか、何かに向けて努力することが僕は好きなのだ。

文章のなんたるか、売れている本、キャッチの使い方、デザイン、構成、ファン層、カラー、ありとあらゆるデータを取ったし、とにかく勉強した。


本も月に15冊ほど読んだ。

大げさじゃない、本当だ。

文章の流れを学ぶために、ノートを何冊も使って書き写したりもした。

この文章は好きだとか、この文章はなんか嫌いだとか、そうやって自分しか書けないスタイルをちょっとずつ形作っていった。


勉強だけでは絶対に成功しないと思ったから、体験もたくさんした。嫌な経験もいっぱいした。

泣いたし、悔んだし、なんで俺がこんな目にと恨み節を言いたくなったこともある。


でも、その全部が糧になった。


まあ、わかってしまえば自然とガガさん達が「あんなこと」や「こんなこと」を起こして、僕らを鍛えてくれていたわけだが(笑)、そのスパルタに耐えることができてよかったなあと思っている。


僕は、これまでのおもしろかった自分の経験をこの世に残したいと思っていた。

それは、誰かに読んでもらうためだけじゃなく、自分のためにというか、自分が楽しむために残したいと思っていたのだ。


でも、その時点では誰も僕の経験なんて知りたいとも思わなかっただろうし、

そのくらいのこと僕だってわかってる。

ただ、話してみると意外とそうではなくて、

「こんなおもしろい話、他に持っていかないでくださいよ!!」と版元さんに言われるほど、僕たちはおもしろい経験をしてきたらしい。


今、そんな話をせくせくと書いている。


うん。

好奇心ってすごいものだ。

人生を大きく変えてしまう力がある。


結局、心が羅針盤ってことだと思う。

心が差す方向が、その人にとっての地図なんじゃないか。


今の僕は物書きとして成り立っているけど、いつまでもここにいるかどうかはわからない。

ずっとやっていきたいと今は思うけれど、情勢は常に変わるからだ。

需要がなくなれば、僕の居場所はなくなる。

もちろん、そうならないように備えてはいるけれども。

だけど、もしもその時が来た時は、新しい場面が待っているということ。

そして、違う好奇心が生まれたということだ。

心の羅針盤が動き出したということである。


今、新作を書きながら、

「これから先、いったいどんな展開が待っているのか」

と考えている。


栄光か平凡か、それとも変わらない日常か。


いずれにしても、歓迎だ。

失敗したって、死ぬわけじゃない。


「ああ、やっちまったなあ」と思って、また新しい日が始まって、何らかの出会いがあって、人生はいい感じに過ぎていく。

その中心にあるのが心だ。


心を大事にしよう。


僕の好奇心はどこへ向かうのか、今からすごく楽しみである。

(そして、同時にちょっとドキドキでもある)。


なんとなく書いてみたエッセイ風が、意外に筆が乗ったので、

これを何かに使えないかとセコイことを思ったところで、了とする(笑)。







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