「ガガさん、ひとつ教えて欲しいんですけど」


僕は小さく手を挙げて、偉大なる龍神に声をかけた。


「まったくなにかね? 我は今忙しいのだよ」



ブツブツ文句言いながらも結局はちゃんと聞いてくれるのが、この龍神のいいところである。


そして、この際ガガが本当に忙しいのかは置いておく。


「今年に入ってからもう、七草とか、節分とか。来月には桃の節句もありますが……」


指を折って数えながら、僕は考えた。


「そんな季節の行事には、やっぱり参加した方がいいんでしょうか?」


日本には四季を通じて様々な行事がある。


昔から日本に伝わっていたものもあれば、近年外国の風習で始まったものもある。

例えば先週も、バレンタインデーがあった。


すると、ガガは飄々と答えた。


「あたりまえだがね。タカや、おまえそんなことも知らずにこれまで様々な行事に参加していたのかね?」


そう言って「やれやれ」と、首を横に振る。



「まずだな、日本には四季というものあるだろう?

暖かい春には草木が芽生え、夏には緑が一層濃くなり、秋には木々が赤や黄色に色づく。そして冬になれば山は雪に覆われ銀世界が訪れる」


「ええ、日本は四季を感じられる味わい深い国だと思います」


以前、南アフリカの友達から「日本の四季はなぜこんなにも美しいのか」と、感動を伝えられた出来事を思い出す。

そう、日本の四季は美しい。

春夏秋冬の色に思いを馳せるだけで、こんなにも豊かな気持ちになる。

すると僕の表情を見て察したのか、ガガはニヤリと笑った。


「タカや。その四季を感じることができるのが、それぞれの行事でもあるのさ」

 


「あ、わかった。それぞれの行事に参加することで、『ああ、今年もこの季節になったなあ』って、四季を感じることができるわけね」


ワカがパチンと指を鳴らした。


「なるほど。ガガさんはいつも『自然を五感で感じるがね』と言いますが、季節の行事を体験することも、そのひとつなんですね」


納得。

僕は腕を組んで頷いた。


皆さんも経験ありませんか?

行事のたびに「今年もこの時期になったのね~」って感じること。

実はそれこそが、ガガさんがいつも言う「季節を感じる」ということでもあるんです。


日本には四季があり、様々な行事やお祭りがあります。

 

それに参加することで、「今年もこの季節がやって来た!」と、心と体で実感する。

 

それだけで、一年を身体で感じながらリズムよく過ごすことができるのだそうです。


言われてみれば最もですね。


「四季は人間を元気にするのだよ。諸君も季節の行事などがあったら、積極的に参加してみるとよいだろう」


そう言ってガガは、大きな口を開けて笑った。


その瞬間、かすかに甘いにおいがした。


はて、このにおいは。


「そういえばガガさん、チョコレートで泳ぎたいって話どうなったんですか?

なんかチョコっぽい香りがしたような気が・・・」


すると、ガガが目を見開いて叫んだ。


「そうなのだよ!!我はようやく今朝救出されたのだ!!

黒龍がレスキュー隊を組織してくれたのだよ。チョコレートの中で溺れかけたのだ。

お陰でまだ身体が茶色いのだよ。今日もこれから黒龍に剥がしてもらうがね!!おーい、黒龍や~」


そう言ってガガは、チョコの香りを漂わせながら飛び立って行った。


「……こ、これがバレンタインの恒例行事にならなきゃいいわね……」


ワカが言った……。

うん、まったくだ。

今日も黒龍さんは大変そうである。




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