「うーん・・・」

僕はちょっと複雑な気持ちで唸る。

パソコン画面を見ると、顔をしかめずにはいられない。


すると、

「タカや、おはよーだがね!!」




ガガが陽気に起きてきた(正確に言えば、ガガと一緒に妻ワカが起きてきたのであるが)。


「あ、ガガさん。おはようございます」


「タカや、お前なにタコみたいな顔しているのかね?」


「いや。だからタコじゃありませんから」

僕は眉を下げる。

どうもガガは、僕をタコにするのが好きみたいだ。


「いやあ、やっぱり批判的なコメント見ると嫌な気持ちになりますよね。まあ、見なきゃいいんですけど・・・」


もちろん、肯定的なコメントの方が圧倒的に多いのだけど、それでも気になってしまうのは人間の性(さが)だろう。

これはもう仕方のないことである。


すると、ガガはちょっと考えてからこう言った。

「ふうん。タカでもそんな時があるのかね。しかし、実は批判の中に活路を見出すチャンスがあったりするのだよ。それはもうお宝的な」


「批判の中にお宝?どういうことよ、ガガ」

ワカが歯ブラシをシャカシャカしながら、首を傾げた。


「よいかね、おまえら。人間の批判には、大きく分けて2つあるのだよ。

『意味のある批判』『ただの批判』だ」


「なるほど。批判にも意味のあるものもあるということか」


「さよう。人間は嫉妬や妬みで他人を貶すヤツも多い。勝手に言わせとけというくだらん批判は、ただの批判だがね」

 



偉大なる龍神は、フンと鼻を鳴らした。


「しかしだ!」
 

おわっ!!ガガの顔がグッと迫ってくる(注意イメージです)。


「は、はい!?」


「中には、お前の弱点を正すきっかけになる指摘もあるのだよ。それをうまく活用するのもひとつの手さ」


それを聞いて、僕はアルピニストとして有名な野口健さんの話を思い出した。

 

世界最年少で7代大陸最高峰登頂を成功させた野口さんだが、昔エベレストの登頂には2度失敗している。

 

その時にメディアにもずいぶん批判されたという。

 
 

そして、その言われた批判をノートに書き綴ったのだそうだ。

 

その中で、「的を得ているな」「意味があるな」、そう感じた批判に赤ペンで丸を付けていった。

 


 

 

すると、自分が直すべきところが見えて来たというのだ。

 

その結果、3度目でエベレストの登頂に成功した。


「うーん、なるほど。そういう耳に痛い言葉でも、意味のある批判を受け入れることが次への成長に繋がる事もあるんですね」


よく分かると、素直に感じた。

ガガが続ける。

「もちろん、批判ばかりに目を向けて落ち込んだりしては逆効果だ。そんなヤツには無理に見ろとは言わんがね。その人間のケースバイケースさ」


たしかに野口さんも、そのノートを冷静に読む前には、

投げつけたり、踏んずけたりして、ストレスを発散したのだという。


どんな人でも自分への批判をすぐに冷静に受け止められる人などいない。

だったら、自分のやり方ですればいい。


そして思った。

「幸運のチャンスは、困難の仮面を被ってやってくるのかもしれませんね」


「さよう。どんな時でも、どんな時代でも、どんな人間にも、幸運の種は転がっているものなのさ。まず足元を見よ、なのだよ」


そう言ってガガはガハハと大いに笑った。

今日もお日様がきれいだ。

仕事の前に、ちょっと散歩に出かけようかな。










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