「おまえらーーーっ!!!」
早朝、寝室ににガガの雄たけびが響き渡った。
「わ、な、なんですか?朝っぱらから!?」
僕は慌てて飛び起きる。
「むにゃむにゃ…なによ、ガガったら今年もうるさいわね、まったく」
早朝=真夜中にワカにとってはようやく深い眠りについたところに違いない。
不機嫌にガガに文句、歯に衣着せぬ言いっぷりは今年も健在である。
「おまえら話が違うではないか!!!我は100件くらいだと聞いていたのだよ!!!」
荒ぶるガガのその言葉を聞いて、僕はあれかと思い当たる。
「ああ、ファンの皆さんの願いを後押しするって話ですよね」
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たしかに
「だいたい100件、多くてもせいぜい200件くらいですから」
と、ガガに言ったのを思い出す。
「我はタカにダマされたのだよ。龍神をこき使うブラック企業なのだ!」
そ、そんな~
ブラック企業なんて人聞きの悪い。
僕は苦笑いを浮かべる。
いつも僕は悪者扱いである。
そして、実はこのお願いコメントはなんと600を超えた。
僕たちもビックリしていたのである。
「我はせっせと神様の元へ願いの小包を運んだのだよ。三日もかかったのだ。それはそれは大変な作業だったがね」
そう言いながら、ガガは大げさにゼエゼエと汗を拭う仕草を見せる。
まあ、イメージだけど。
「でも文句たれつつ、ちゃんと神様の元へ運んでくれたわけね。さすがガガじゃーんいよっ、大統領」
ワカがヨイショする。なんせこの龍神はおだてに弱い(笑)。
「そうです。私たちもお手伝いをして全てを無事に神様の元へお届けしました。もちろん、ガガさんが途中で投げ出そうとした、などとは口が裂けても言いません」
新年から爽やかな風がさっと吹き抜けて来た。
黒龍の登場だ。
「黒龍さんもお手伝いしてくれたんですね。ありがとうございます!」
僕は頭を下げてお礼を言った。
「もちろんです。ファンの皆様の大事な願いなのです。一つたりとも落とすわけにはいかないではありませんか!」
語気を強める黒龍の言葉に、責任感の強さを感じる。
「我々がこうやって苦労して神様に後押しをお願いしてきたのだ。あとは、一人一人がしっかり行動に移し、願いを叶えるだけなのだ。きっと良い結果になるだろう。安心して頑張りたまえ!!」
そう言ってガガが満面の笑みを見せる。
なんだかんだ言っても龍神様はとても優しいのだ。
僕がそう思って、気を緩めた瞬間。
「ただし!!」
と、ガガが語気を荒げた。
「我はタカにダマされたのだ!!タカは『マイナス5万ポイント』だがね」
ガガポイント、マイナス5万ポイントとは、酷いです
「ちなみにポイントが減るとなにか、罰とかあるんですか?」
「特にないがね」
なんだ、ないのかよ(^^;)
よかったよかった
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