今日11月17日は、旧暦の10月10日。
(令和3年は、11月24日が旧暦の10月10日です)
出雲国では神迎祭が行われます。
自分の氏子の願いを叶えるために、ここ
出雲国へオオクニヌシの力を借りるために集まるわけです。
どんな願いにも多かれ少なかれ、『縁』が必要です。
男女の縁、仕事の縁、家の縁・・・様々な縁を結んでくれるのがオオクニヌシの力。
そりゃあ、全国の神様も頼りにするのは当然です。
ですから全国の神様が出雲国へ集まる旧暦10月は、各地では『神無月』と呼ばれているんですね。
「ねえ、率直な疑問いいかしら?」
ここで妻ワカが発した。
「ずっと気になってたんだけど。この場合、全国で祀られているオオクニヌシ自身も集まるわけ?」
なるほど
言われてみれば面白い疑問だ。
北海道神宮、氣多大社、都農神社など、全国にオオクニヌシを祀る神社はある。
そこで祀られるオオクニヌシ自身も出雲国へ行くのか?
よし、ここは偉大なる龍神様に聞いてみよう。
「ふうむ」
ガガは顎をさすりながら唸った。
「それは興味深い疑問だがね。実は我も知らないのだよ。よかろう、ちょっと聞いてくるがね」
気配が消える。
どうやら本当に調査に向かったらしい。
「へえ、まさかガガも知らなかったとは・・・。意外と盲点だったのかもね」
僕が笑って言うと、
「聞いてきたがね!!」
は、速っ!!10秒も経ってないじゃねーかっ。
これも神の成せる業なのか・・・、と僕が感心していると、ガガが口を開いた。
「集まらんそうだ!!」
「そ、そうなんだ」
ワカもしどろもどろ・・・。
「正確に言えば、自分自身だからな。
人間たちがよく使う『イメージ的に言えば』電話しているとか、チャットしているとか、まあそんな感じだがね」
電話にチャット……神様が。
「つまり、もともと出雲にいらっしゃるオオクニヌシから、分けられて各地に祀られているわけですから。その意識は通じている、という意味で問題ないんでしょうかね?」
僕は頭の中を整理しながら言った。
「さよう。だから、わざわざ出雲国まで出向いていく必要はないらしいがね」
神社の神様を他の神社に祀ることを勧請(かんじょう)という。
神様は無限に分けることができ、力が衰えることはない。
イメージとしては蝋燭の火を思い浮かべてもらえるとわかりやすい。
蝋燭の火を他の蝋燭の火に分けても、元の蝋燭の火が弱くなることはない。
そして勧請はその神様の大本が祀られる神社(総本社、総本宮)から遷されることが多い。
全国の八幡神社の御祭神は応神天皇だが、もともとは総本社である宇佐神宮から勧請されている場合が多い。
そしてオオクニヌシの場合は、出雲大社となる。
「へー。それは面白いな」
「そして、神社って奥が深いわよね」
僕とワカが声を上げた。
「おまえらもオオクニヌシには世話になっているからな。おまえらも大本の神様にも会いにいくといいがね」
「う、うん、まあ、そのうち……」
大の飛行機嫌いのワカが眉を下げた。
僕もいつでもwelcomeだ!(笑)
それに・・・
羽根屋さんの出雲そば!!
また食べたいし(笑)
というわけで、今日から一週間は神様が出雲国へ集まって会議を開いています。
どの案件に力を貸そうか?
神様が喧々諤々の議論を交わす姿を想像すると楽しいですね。
それもまた日本の神様の面白いところです。
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