僕はせっせと原稿を書き進める。





いい作品を作りたい。

みなさんに楽しんでもらいたい。


もちろんそれが第一なのだが、今日はそれに加えて。





11月8日発売の伊坂幸太郎さんの新作!!

 

「フーガはユーガ」

しかも。





サイン入りをゲット!

(やったーっ!!)

もう、これは一刻も早く読みたいわけで。


僕、




いつになく真剣な表情です(笑)

※あ。いつも真剣ですよ。もちろん。


「タカや。次の作品でも我をカッコよく書きたまえ」

ガガが画面を覗き込むようにして聞いてくる。


「もちろんです。それにしっかりと仕上げてから、伊坂先生の新作を読みたいですからね」


ほう、とガガが顎を撫でつつ声を上げる。

「つまり、やるべき仕事を終えて、本を読む自由を手に入れたいわけだな」


「まあ、そういうことです」

自由を手に入れるとは、なかなか面白い表現である。

すると、ガガが真剣な眼差しで続ける。


「しかし、その自由を勘違いしているヤツが最近増えているがね。嘆かわしい」


「自由を勘違い?どゆこと?」

コーヒーを淹れながら、ワカが問う。良い香りだ。


「さよう。『自由に』とか『好きな事をする』と聞くと、『なんでもしていい』と勘違いするヤツがいるが、それはお門違いもいいところさ」


「ガガさん、そこをちょっと詳しくお願いします」

と、僕はメモの準備をする。

「いいかね。『自由』と『できること』は違うだろう?」


ピーンひらめき電球

僕は右のこぶしで左の掌をポンと叩いた。

「わかった。社会にはルールがありますから、例えば道でいきなり人を殴るとか、金を奪うとか、それは自由とは違うということではないでしょうか」


「タカや、その通りだがね」



人間には生きていく上で、お互いの自由を侵害しないために、社会のルールが存在します。

 

つまり自由にできる範囲は一人一人が違うわけです。

 

自由だから、なんでもしていいと言ったら、

 

・道で人を殴る自由

 

・金を盗む自由

 

・人を騙す自由

 

なども『自由』という括りに入ってしまいます。


だけど、それを許したら、周りの人も「あなたを殴る自由」「あなたの金を盗む自由」「あなたを騙す自由」を持っていることになって、それこそ無秩序な状態になってしまうと思いませんか?

これは決して許されることではありません。


ですから本当の自由とは、周りに迷惑をかけずに『やれる権利』を言うのだそうです。

そして、その自由という権利を手にするために人は努力するんです。



「タカは、イサカセンセイの本を読みたいと考えた。そのために仕事を速く終わらせようと頑張る。そうすれば、編集者にも迷惑をかけずに『本を読む』という自由が手に入るわけだがね」


「ただ自分が本を読みたいから、と仕事をしなければ、編集者にも読者にも迷惑がかかる。それは自由ではなくただのワガママということですね」


僕の言葉にガガが大きく頷いた。


「そうやって人間は自分の自由の幅を広げていくのだ。特に日本はいいがね。誰にでも自由を手に入れる権利があるからな」


たしかに・・・、と僕は思いを巡らせた。

世界には自由に発言できない国もあるし、女性が男性に口答えしただけで罪に問われるような国もある。

宗教が国で決められていて、それ以外の神様を信じる自由すらないところだって。


だけど日本ではみんなに自由をつかむ権利がある。これはすごいことだ。

僕だって、今でこそ「本を書く」という権利を持っているが、その自由をつかむために頑張ったのだ。 



僕がガガの言葉に納得していると、


「とろこでだ」

ガガがグッと顎を引いて再びしゃべりだす。

「こないだのパーティで配ったまんじゅうは、よかったがね。みんなが喜んでくれたのだ」


「ええ。みんな大喜びでしたよ」




僕は答えた。

そろそろ賞味期限が近付いているので、まだ食べていない方はそろそろ食べて頂ければと思う。

 


「そこでだ。次はクッキーがいいと思うのだが、どうかね?」

ガガが口角を上げて僕に迫ってくる。(ような気配を感じる)


「我は、ガガクッキーを作ってもらう自由があるのだよ!これまで頑張ったからな!! さあ、我のクッキーを作るがね、今すぐ!」


そ・・・そんな無茶な。

「さて、僕は忙しいので・・・」

と、僕はいそいそとPCに目を戻す。


ああ、早く本が読みたい(^^;)





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