「タカや。『引き寄せ』とは一体なにかね?」



 


ガガの疑問はいつも唐突である。


「引き寄せ・・・ですか?」

 

しかも今日は専門用語だ。

ガガに一体なにがあったのだろうと、僕はちょっと考える。


しかし今、本屋さんに行けば引き寄せコーナーが設けられ、表紙に大きく「引き寄せ」と書かれた本をたくさん目にするのは確かだ。

 

もともとは外国から入ってきたように認識していたが・・・はて?



「ヨーロッパ出身の龍神に聞かれたのだよ。『日本人の言う引き寄せってなんですか?』とな」


「ガガ・・・外国の龍神様って、もしかしてドラゴン?」

お湯を沸かしながらワカが聞く。たぶんこれから彼女はコーヒーをドリップするのだと僕は推測した。

「そうなのだ。このあいだ知り合ったイタリアの龍神がいたろう?あれからまた仲間の輪が広がってだね、皆でお茶をしたのだ。盛り上がったがね」

 

龍神様同士がお茶って・・・

 

湖の水でもピチャピチャと飲んだのだろうか?想像は尽きない。


「そう言えば外国から帰って来た友達も言ってたわ。同じ本なんだけど、英語で書かれた原作と日本語訳されたものを両方読んだけど内容が変わってる気がするって」


「え。どういうこと?」

 

ワカの言葉に、僕は目を見開いて尋ねる。


長い海外生活から帰国したワカの友達によれば、つまりこういうことらしい。


日本での「引き寄せ」は、引っ張るとかイメージする。

 

なんていうか、人間自身が「引き寄せる」という意味合いがすごく強いと感じたのだそうだ。

 

たしかに僕もそう思っていた。見解は同意している。


ところが英語で書かれた原作本では、

 

1.自分が魅力的になる。

 

2.すると、幸運がその人のことが気になって放っておけなくなる。

 

3.その結果、幸運の方から近くにやってくる。いや、来たくてたまらなくなる。


つまり、

 

他人が放っておけない魅力的な人間を目指しましょう。

 

そうすれば周りの人だけでなく、幸運さえもあなたの近くに寄ってきてくれるんですよ。


ということだ。


「うーん、なるほどー」僕は思わず唸り声を上げた。


「すっごいわかるね。というか、これはまさにガガから教えてもらっていることと同じだよね」


神様に好かれたければ、周りの人から好かれる人間になる。

人間も神様も感覚は一緒。

魅力的な人間は神様に愛され、幸運体質になる。

結局、真理はひとつだ。



するとガガも

 

「そうなのだよ。実は我は『引き寄せ』というものはよく知らんのだ。だが、幸運を呼び込むのに具体的な想像をすることでワクワクした気持ちになるのは事実だがね。そうすれば自然と魅力的な人間になるものだ」


「たしかに」

 

僕は深く納得した。


「同じことを言っても人間は人それぞれ理解の仕方が違う。だから様々な説明の仕方があって当然だがね。大切なのは、どんな形でも良いから結果的に人間が我々龍神も神様も放っておかない人間になってくれるのが嬉しいのだよ」


そう言うとガガは大きな口を開けて笑った。


「では、我はまたお茶の続きをしてくるがね。ヨーロッパの龍神と湖の水の飲み比べをするのだよ。世界最大の湖カスピ海を勧められたのだ。飲んでみるがね」

 

そう言い残し、ガガは誘うと飛び去って行った。


たぶんガガは知らないだろう。

 

カスピ海は世界最大の湖であると同時に『塩湖』であるということを・・・。





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