「タカさん!私はもう呆気にとられるしかありません!!」
僕が夜、日大アメフト部の監督とコーチの記者会見を観ていると、黒龍が突然叫び出したのだ。
「どどど・・・どうしましたか?」
驚いて僕が聞き返すと、
「どうもこうもありません!!」
一喝された。こんな黒龍さんは初めてだ。
言葉を失っていると黒龍が言葉を吐く。
「人間は、こうなれば良くなる。助かる。そうわかっていてなぜしないのですか?なぜ嘘をつき続けるのですか?私にはまったく理解不能です!!」
僕はテレビに目を移す。なんとなくその意味が呑み込めた。
ああ・・・そういうことね。
しかし、今夜の黒龍は止まらない。
「謝ってしまえばいいんです。いえ、それしか道はないのです。正直になるしかないのです。なのに、なぜ人間はそれがわからないのでしょうか!!」
黒龍はまくし立てる様に言うと、ふうふう、と息を整える。
お、お願いですから落ち着いて下さい。
僕は必死になだめる。
「だから私は言ったじゃないですか!!本にも書いてもらったはずです」
その言葉に僕は脇に置いてあった「日本一役に立つ!龍の授業」を手に取り、ぱらぱらとめくる。
「あ、あの、黒龍さん。ちゃんと書いてありますから、多くの人はわかっていますから」
僕はそう言って71ページを開いて黒龍の方へ向けた。
『いまは新しい時代の準備。そのために悪いもの、嘘偽りは暴かれるときなのです』
黒龍の言葉がそこにしっかりと書かれている。
黒龍は肩で息をしながら、自分を落ち着かせるように息を整える。
そしてゆっくりと口を開いた。
「私はあえて提言します。今後も嘘はバレます。『自分の悪いところを隠そうとする嘘』『誰かを陥れようとする嘘』、『おかしなビジネス商法』もそんな嘘は必ずバレるでしょう、それから」
「おい、タカや!!なんとか黒龍を落ち着かせるがね」
珍しくガガが声を潜めて僕たちに懇願するように言った。
いやいやいやいや。ガガさんがどうしようもないのに。
僕は眉をひそめて手を左右に振って答える。
「タカさん!私の話をちゃんと聞いているのですか!!」
「は、はいっ!」
僕は背筋を伸ばして答える。
空気がピリピリしているのを感じる・・・。
「タカさん。私はもう人間界を卒業したいくらいです。『私は普通の龍神に戻ります』とマイクを置きたい気分です」
そう呟いた。
もはや突っ込みどころ満載のセリフだが、張りつめた空気がそれを躊躇させる。
「おいタカや。黒龍にいなくなられたら我も困るがね。いろいろ分析したり、理論的に説明できる龍神はそういないのだよ、どうすりゃいいのかね?」
ガガも困惑しながら言ってくる。
「それは僕も困ります・・・」
というわけで、
いま、ヤバい嘘はバレちゃうんです。
だから、
『自分の悪いところを隠す嘘』
『誰かを陥れようとする嘘』
そういうバレたらまずい嘘はやめた方がいいです、ホントに(^_^;)
嘘は方便くらいにとどめましょう。
皆さん、黒龍さんを怒らせないためにも、どうぞよろしくお願い致します(笑)。
「ガガさんもちゃんと私の言葉を聞いてますか!」
「は・・・はい!聞いていますがね!!」
↑ガガ、まさかの降伏、黒龍に白旗です(^▽^;)
キレた黒龍、恐るべし…。
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