「おはよーだがね!!」





ガガだ。

僕はキーを叩く指を止めた。


「お、おはようございます。こんなに朝早く珍しいですね」


きっと、なにかを思い立ったに違いない。だいたいいつもこうなのだ。



「皆でぱれえどをしようではないか!!我も手を振ってみたいがね!!」



妻ワカが眠そうな目をこすりながらガガの声を代弁した。


「パレード?」

ははぁ、なるほど・・・




偉大なる龍神様は先日、仙台で行われた羽生結弦選手のパレードに影響されたらしい(笑)。


「っていうかガガ、手振れないじゃん。だいたい見えないでしょうに」

ワカが欠伸をしながらつぶやく。


「そこはおまえたちがなんとかしたまえ」


「無茶言わないでください。しかしガガさんはホント、自分のしたいことに貪欲ですね」

そこが僕たちが見習うべきところだろう。


ガガは言った。

「まずは自分が満足しなければ、誰かを助けることなどできんがね」

 


「ははあ、そういうもんでしょうか」

僕はうーむと腕を組んだ。


「人間はよく『感謝しましょう』って言うだろ。では、おまえたちに問おう。 感謝しようとしてする感謝とはいったいなんだね?」



「た、たしかに……」

僕は言葉に詰まる。



「そもそも感謝とはしようとしてするものではない。心の内から自然と湧き上がってくるのが本当の『感謝』だ。ありがたいことはいくらでもあるだろう?それを感じて出てくる感謝じゃなければ、意味がないがね。上っ面の感謝などしない方がマシなのだ」


ガガ節炸裂。腑に落ちる。


「どうすべきか、ではなく、どうあるべきかということですね」


「さよう。そして、そのときに大事なのは自分自身を満足させているかどうかだ」


「自分が満足した状態ならば、他人にも自然と優しくなれる。ガガさんがおっしゃるのは、そういうことでしょうか?」



「その通りだ。そしてそれを実践している神様もいるではないか」


「え、誰?」

ワカが声を上げた。

僕も考える。そんな神様いたかな?


「タカもこないだ挨拶に行ったではないか。京都にもおったし、出雲でも会っているがね」


そこで僕もピンときた。




京都の八坂神社や




出雲(雲南市)の須我神社でもお会いした





スサノオである。


「スサノオは「内」から「外」に幸せを広げていった、手本のような神様なのだ」


スサノオは八岐大蛇退治でも有名な神様だ。

出雲空港でも




派手に祀られていた。


「そのスサノオは、その物語でなにをした?」

ガガの言葉に、僕は古事記を思い返してみる。



ある日、スサノオは八岐大蛇におびえる若き娘と出会う。

 

そのそばでは娘の両親が涙を流していた。

 

それを見たスサノオが真っ先にしたこと。それは・・・

 


 

 

「娘さんを僕にください!結婚させてください!!」

 


 

 

八岐大蛇を退治して娘や、その両親を安心させるよりも先に自分の「結婚したい」という幸せを選んだ。

 

そして、

 


 

 

「我が妻を食らうとは何事か!!成敗してくれる!!」

 

と八岐大蛇をやっつけた。

 


 

 

その後、自分たちの住むための土地を求め、須賀の地に宮を建てた。

 

そして、なんと妻の両親を呼び寄せて一緒に住んだのだ。

 

ある意味、二世帯住宅のはしりかもしれない。


スサノオは、

まず「自分」を満足させた。(好きな娘と結婚した)

 

次に「妻」を満足させた。(八岐大蛇を退治した)

 

そして「妻の両親」を満足させた。(家を建てて呼び寄せた)

 


まさに身近なところから満足させていったわけだ。

ガガの言うことそのままじゃないか。

まず、自分が満たされているからこそ、外にも目を向けられるようになる。

「自分は満たされているから、あなたにもしてあげるよ」

そういう気持ちが自然と湧いてくるってことか。

 


僕は霧が一気に晴れたような気持ちになった。


「まず自分が満足する、満たされる。そのために自分が好きなことをする。それが大事だということですね」


「さよう。そうすればわざわざ『感謝しなければ』『他人のためにしなければ』などと思わなくても、自然とできるようになるものだ。我が言いたいのはそういうことさ」


そういうとガガは僕の方を向き直り、声のボリュームを上げた。


「そんなわけで我がパレードする準備をするがね、今すぐ!!」


ガガが僕たちを助けようと自然と思うために、まずガガを満足させないといけないらしい。

まったく困った、いや味のある龍神様だ(笑)。

だけど僕たちに大事なことを身をもって示してくれているのかもしれない。

うん、そう思おう。




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