「ガガさん、ちょっと質問があるんですが」
読んでいた本から顔を上げて、僕は言った。
「なにかね? 我は疲れた体を横たえて休んでいたのに、タカは我をこき使うのだ。龍神虐待なのだよ!!」
りゅ、龍神虐待って……。
そんな人聞きの悪すぎること言わないでください……。
ガガの言葉はスルーに限るのだ。
「最近よく、『自分に自信が持てません。どうしたら自信を持てるようになりますか?』という質問を受けるんですが」
僕がそこまで言うと、ガガが怪訝そうな顔をする。
「自信を持つ方法だと? タカや。おまえは一体なにを言っているのかね?」
「いや。だからそういう質問には、果たしてどのように答えたらいいんですかね」
するとガガは『やれやれ』と首を揺らしながらこう答える。
「そいつはすでに自信満々ではないか」
「は・・・?」
「どーゆーこと?」
意味を呑み込めずにいる僕とワカを残念そうに眺めると、偉大なる龍神の言葉は続く。
「その質問したヤツはだ。おまえらが反応してくれる、相手にしてくれるという自信があるからそういう質問したわけだろ?」
僕は思わず目を見開いた。
・・・・・・そんな発想なかった・・・・・・。
「『自分に自信がありません』とか『自信をどうやったら持てますか?』なんて言葉が吐けるのは、『相手に反応してもらえる』という自信がある証拠だがね」
「たしかに。そんな質問をしたとして、もしも反応してもらえなきゃなんか余計に悲しくなりますもんね」
僕は頷きながら答える。
「相手に反応してもらえる、『大丈夫ですよ、あなたはそのままでいい』とかなんとか甘い言葉をかけてもらえるという自信が心のどこかにあるのだよ。それにだ、」
ガガは言葉を切って、僕たちを一瞥する。
「仮に『反応してもらえないのを覚悟の上で吐いた言葉であれば、さらにすごい自信ではないかね?ふてぶてしいほどのな」
そう言ってニヤリと笑う。
僕は膝を打った。意味が分かったからである。
『自信がない』と堂々と宣言できるなんて、言われてみればすごい自信だ。
そもそも「成功できる」「うまくできる」と確信を持つことが、自信ではない。
「失敗しても別に大丈夫」と行動できることこそが自信なのである。
この質問者の場合、自信がないことを公言する、という行動をすでに起こしているわけだ。
ならば・・・
「そんな質問をできる時点で相当な自信家ということですね、なるほど」
「そうなのだよ。本当に自信がないやつはそんな質問すらできん、行動がおこせんからな。それに自信は経験値を積むことによってしか生まれないのだ。せっかくそこまで気付いているのだから、一日一善の自信貯金でも始めたまえ。コツコツやれば結構溜まるもんだがね、自信」
やはりこの龍神にはきれいごとは通じない。
僕が感心していると、ガガが再び雄たけびを上げた。
「やややっ!思い出したがね。我はおりんぴっくを観ていて思ったのだ。われもメダルが欲しいがね」
「メダル、ですか? どんなメダルがいいですか?」
龍神界もオリンピックに沸いたのだろうか?
「そうだがね。我は白龍だから白もいいがね。いや、橙色も悪くないがね」
嬉しそうに話すガガの言葉を聞きながら僕は思う。
龍神様はメダルの意味をわかっていないらしい。
それでも堂々とメダルが欲しいと言えるところが・・・
僕はうーんと唸る。
やはり龍神様は自信満々だ!と。(笑)
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