「ガガさんにファンの方からメッセージがきてるんですが、その中である質問が妙に多いんです。ちょっとお答えいただきたいんですが」
「なにかね? 我はまだ眠いのだよ。瞳を閉じかけていたのだ」
「龍神は眠らんって言ってませんでしたっけ?」
僕がすかさず聞き返す。
「我は眠ってみたいと思ったのだ。だから瞳を閉じる練習をしておるのだよ」
人間のすることに興味津々の龍神様。
黒龍によればこんな龍神も珍しいらしい。
まあ、だから妻ワカとコンビを組めているのだろうが。
「で、なんだね? 普段は質問には答えんのだが、しかたない。少しくらいなら聞いてやるがね」
ファンという言葉にちょっと気を良くしたのか、ガガの口調が弾んだ気がした。
偉大なる龍神も、ファンの存在は嬉しいとみえる(笑)。
「ええと、龍神でも霊体でも、見えないものが見えたり、聞こえたりする人って特別な能力があったりするんですか? という質問です」
僕は多かった質問を読み上げた。
僕にもガガの声は聞こえない・・・
あくまでもガガとの会話は妻ワカの仲介で成り立っている。
「ふうむ、またその手の話か。タカや、共感覚ってあるだろ」
「ああ、はい。妻龍にも出てきた言葉ですよね?」
「さよう。『この人なんか機嫌悪そう』とか『課長、今日なんかいいことあったな』という感じに雰囲気で感じ取ることだがね」
「あるある」
場の空気を読むのがうまいワカが言った。
「これは表情や声の感覚、仕草などから本能的に感じ取れる感覚のことをいう。だから五感が鍛えられているほど共感覚に優れているヤツが多い」
みなさんにも覚えがないだろうか? 打合せに行ったらなんとなく雰囲気が悪い。
「なんかあったんだな」とか。
声の調子で「今日のお母さんは機嫌がいいな」とか。
これが共感覚というものだ。
つまり見えないものから感じ取る力が優れているということ。俗にいう霊感があるというのは共感覚に優れていると言い換えることができる。
「どんな人が多いんですかね?」
僕はメモを取りながら尋ねる。
「我の知る限りは芸術家などが多いな。芸術家って人とは違った表現方法を持っているヤツが多いだろ?」
「多いですね。ピカソなんか有名です」
個性的な構図、独特の人物描写、目の覚めるような色遣いなど、常人が思いつかないような作品が数多くみられる。
「芸術家には共感覚が優れている人間が多い。共感覚に優れていると通常の感覚から異なった感覚まで生じさせることができるようになる。文字に色を感じたり、音に色を感じたりといった感じだ」
「へえ。じゃあ、あれは実際に作者が感じたことを描いているだけなんですかね?」
「そうかもしれんな。人の目に映るものはみんな違う一様ではないということさ」
そう言ってガガがニヤリと笑う。
「なるほど。だからこそ実態のない何か、でもちゃんとある存在を感知する力に優れているんですね」
僕はほうほうと頷いた。
興味深い話だ。
「さよう。身近なところではこいつ(ワカ)もセンスが優れておるだろ?」
腑に落ちることを言われてしまった。
話の中では寝坊助で好き勝手なことばかり言うイメージが付いてしまったが(笑)、実は妻は、僕の大事なアシスタントでもある。
本を書くのは僕だが、世に出すための表現方法などの校正をしているのがワカだ。
彼女の存在なくして、僕の作品は完成しない。
そのため最初に原稿をワカに見せる時が一番緊張する。
(ある意味、編集者に見せる時より恐い・・・(笑))
そして作品のキャッチやカラーなど、クリエイトな部分もワカのセンスが存分に発揮される。
ちなみに・・・
この新刊の帯の構図を提案して練り上げたのも、なにを隠そう妻ワカだ。
うーん。と僕は唸る。
「まさか龍神としゃべれる力がこんなところにまで役に立つとは。参りました!」
そう言うと。
話のネタ変なイメージを付けてしまった妻に頭を下げる。
(とは言っても、このネタを崩すつもりはないんだけど・・・)
「まあ別にいいけどさ。ちゃんと読者の皆さんに誤解のないように言っておいてよね。私だってたまには早く起きるんだから!」
たまには・・・月に何回ですか? とそこは突っ込まずにおく。
「ちなみに、その共感覚は今からでも鍛えられますか?」
「もちろんだがね。五感を意識して鍛えることで、見えないものを感じてくれる人が多くなると我々龍神も嬉しいのだ」
そう言って偉大な龍神は大きく口を開けて笑った。
僕には見えないけれど、ちゃんと感じるのだ。
少しずつだけど、僕もなんとなくわかるようになってきたのが、やっぱり嬉しい。
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